Side 沙月ー2

悠一さんに私がプロポーズされました。

(なんで?冗談で言ったのに……嬉しいけどわたし悠一さんに、

まだ言ってないこと一杯あるのに……

言えないことも一杯あるのに……

今いる卯花沙月は違うんです。

私は任務の為にここにいるだけなのに……

なんで?なんで?なんで?なんで?

本当の私を見たらきっと幻滅されてしまう。キライとか言われたら私は死ねる位に悠一さんが好きです。

プロポーズしてくれたのは嬉しいのに……

言葉が見つからないくらい嬉しいのに……

私はどうすればいいの?



やっぱり話そう。私の本当の目的を、ただこのままでは悠一さんに迷惑がかかります。

とりあえず本隊に話をつけに行きましょう。隊長をどうにかすれば後は、全員殴り倒してしまえばこっちの物です。)


沙月が自衛隊官舎へやってきた。

(悠一さんを結さんに任せて、アポをとった隊長の元に来ました………なんで、大隊長や中隊長までいるんですか?隊長……なにかやりました?)

「卯花三曹入ります。」

「おお、卯花来たか。元気か?」

「隊長……そんな親戚の子を迎えるような対応はご遠慮願います。」

「卯花君、相変わらず小隊長には、辛辣だね。まぁこんな砕けた話をするやつは、そうなるよな!」

「大隊長、お久しぶりです。中隊長もお久しぶりです。」

「卯花?俺にはそういった敬意の対応してくれないよな?」

「はぁ?」

「卯花……お前怖くなってない?警護でストレスが溜まったのなら、小隊のメンバーに当たってきてもいいぞ。」

「それは小隊長もご一緒に参加でしょうか?」

「なんで?俺はデスクワークで忙しいから行かないぞ…」

「ちっ……そうですか、では後で隊員のところに行きます。」

「お前…舌打ちしなかった?ってか、行くんだ……、お前相当溜まってるんだな……警護代わるか?」

「いえ、変わりません。それどころかずっと警護でも大丈夫です。」

「そうなのか?」

「大丈夫です。代われと言われてもお断りします。」

「卯花、お前……警護対象と何かあったのか?」

「はい。ありました。」

「そうか……………うぉ〜い!!!大隊長いる前で何を言う気だ?何やらかした?」

「いえ、プロポーズされました。結婚したいので、隠していた警護任務をしていることを喋ってもいいですよね?」

「待て待て………待って……お願い少し待って……卯花がプロポーズされたの?」

「はい。私がプロポーズされました。」

「誰に?」

「警護対象の相楽悠一さんです。」

「はぁ?お前、卯花沙月三曹だよな?」

「はい。特戦群所属、卯花沙月三曹であります。」

「あの隊員から鬼姫や一姫当千とか変な二つ名がある卯花だよな?」

「そんな二つ名ついてたんですか?後で隊員の頭の中を直接見てきます。」

「おまっ!?そういうところだぞ!!」

「小隊長、いいかな?」

「はい、大隊長。失礼しました。」

「卯花三曹、今日来るとの事で便乗させてもらったんだか、小隊との交友は順調そうだね?」

「はい。大隊長、失礼いたしました。」

「今日はね、君の昇進の通達をしにきたんだ。卯花三曹を本日付けで曹長にする。」

「はっ、拝命いたします。」

「卯花…お前驚かないのか?」

「大隊長からですので、すぐにお答えします。」

「ちょっと……俺との差が激しすぎませんか?」

「小隊長……ご自身の胸に手を当てて考えて、わからなければ、心臓を出して考えて見られては?」

「卯花……ちょっと教場行こうか?久々に運動したくなった。」

「ゴホン!!」

「「大隊長、申し訳ありません。」」

「フッハハハハハッ(笑)」

「立花中隊長、笑い過ぎだぞ……フッフフ(笑)」

「大隊長も笑われてるではないですか……。」

「スマンな…卯花曹長、任務も順調みたいだね。」

「はい。問題はありません。」

「そうかそうか、今は大丈夫だが、これからは少し風向きが変わってくるぞ。」

「………理由をお伺いしても?」

「うむ、警護対象の相楽悠一君は他国から狙われる事になる。何者かが東や西に情報をリークしたようだ。」

「そのリークした者は排除しても問題無いですよね?」

「卯花…話しが飛びすぎだ……殺気を待ち散らかすな……。」

「卯花君は、その相楽君に惚れているんだね……。」

「はい。惚れています。結婚したいので、邪魔なものは排除します。」

「まぁその気概があれば問題なさそうだし、卯花曹長をここまで惚れ込ませる相楽君に興味が湧くねぇ?大隊長、意見具申よろしいでしょうか?」

「何だね、中隊長」

「はい。バックアップを小隊規模から中隊規模への拡大と、以前申請のあった試験場の使用の際に私が現場にて、指揮を取ろうと思います。」

「ほう、中隊長自らか……面白い、許可しよう。」

「ありがとうございます。卯花曹長、悪いが中隊で動くことになるが、今まで通り警護担当は君一人でいいかな?」

「はい、中隊長、問題ありません。」

「後は、報告はあるかな?」

「大隊長、私は結婚しても問題ないでしょうか?」

「あ〜そうだね、隊員の結婚は自由だからいいんじゃないかな?特戦群所属だけは機密だから言ってはいけないよ。あと、警護していることは言ってもいいよ。秘密裏にする期間は終わってるしね。」

「では警護でいたことは本人に伝えても問題がないのですね。分かりました。大隊長、ありがとうございます。」

「卯花君、幸せになりなさい。」

「ありがとうございます。………では、私は小隊の隊員を探して、教場に行きますので、失礼いたします。」

「卯花……隊員はあっちだ。」

「小隊長ありがとうございます。では小隊長も行きましょうか?」

「あっ……はい。大隊長、中隊長、中座してもよろしいでしょうか?」

「良いんじゃないかな?」

「小隊長………たまには俺も行こうか。」

「「えっ…中隊長が………?」」

「卯花?共闘しないか?」

「お断りしま〜す。」

「おまっ!?中隊長……チーム組みませんか?」

「おや?小隊対俺でいい感じだと思ったのだか?」

「中隊長、胸をお借りします。」

「卯花君、やる気だねぇ。」

「ウソだろ、戦闘狂しかいないのか?くそっ小隊の連中見つけて仲間を増やさねば……」

この日の教場では、中隊規模の乱戦という、意味不明な訓練が実施され、無傷が2名、かすり傷1名、その他参加した隊員20名全員が全治1〜2週間程度の打撲、擦り傷と報告が上がっていた。




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