第61話 バレた
昼を過ぎ……なんだかんだとベッドの中で楽しんだ俺と沙月と、周辺の散策に出ていた結とセレスが合流し、徳島にきた目的を達成するために、徳島ラーメンで有名な某大学の略称の店に行き、店に入るための列に並び、店の中で徳島ラーメンを堪能した。
その後すぐ近くにある、阿波おどり会館で、阿波おどりを見物して夜になり徳島の地元で有名な阿波尾鶏や鳴門鯛阿波牛などを出す居酒屋に行き、美味しい物を堪能し、今日も終了。
次の日は朝早くに徳島を出発し、香川県に向かい、朝から讃岐うどんを食べることになっている。
「ユウイチ、朝ご飯で行くお店ってどういうお店?」
「俺も何回か行ったけど、朝からけっこう並んでいる、すごく有名なお店で釜揚げうどんや釜玉うどんがおすすめのお店だよ。」
「カマアゲ?カマタマ?何か楽しそうな響きのおうどんだね!」
「あと、先におうどんを頼んで、好きな天ぷらや具材を自分で取って、お店の人に見せて精算するシステムだから、その時になったら、説明するね。」
「あれ?頼んだら席で待っていてはだめなの?」
「そうだね。やってみると楽しいから、実際にやってみようね。」
徳島から3時間ほどかけ、ようやく山◯うどんに到着したが、9時を回っていて、駐車場が軒並み満車で第3駐車場と言われるけっこう離れた駐車場まで行く事になった。
「悠一、やっぱり多かったね。」
「さすが〜◯越うどんですね〜」
「ユウイチ、うどんは?お店無いよ?」
「やっぱり多かったね……平日でこれとは……セレス、向こうにお店があるから、行こう。」
とセレスの手を握りお店の方へ案内する。お店に近づくと、行列がありお店の中に入るまで30分以上かかった。
お店の中に入るとすぐにうどんを茹でているのが見えて、うどんの種類や大きさを聞かれたので、待っている間に決めていたうどんを4人分注文し、出てきたうどんを受け取り、好きな天ぷらを自分で取り、精算してから、自分の好きなだしや醤油をかけて、席につきうどんを堪能した。
「やっぱり美味しかったね。」
「ですね〜美味しかったです〜」
「かけうどんとちくわの天ぷら美味しかった〜ユウイチまた来ようね♪」
「セレスも気にいってくれて良かったよ。俺も久々のぶっかけとちくわが最高に美味しかったし。また皆で来ような。」
と話していたら、俺のスマホに着信があり、出てみると松岡所長からの着信だった。
「はい、相楽です。」
「おはよう相楽君、いま大丈夫かな?」
「はい、大丈夫ですよ。」
「君たちの居場所が他国にバレたようだぞ。」
「本当ですか?どうやってバレたのでしょうか?」
「君たち、昨日ラーメン屋さんに行ってないかな?」
「行きましたね……」
「お店の行列に並んでいる所を撮られて、SNSに上がっていたみたいでね?その写真は国が今日見つけて、すぐに削除したが、他国にバレている可能性がある。」
「分かりました。すぐに四国から出て、一度そちらの方に向かうことにします。」
「そうだね。そのほうがいいかもしれんが、すまんがセンターゲートではまだ受け入れ体制ができんのだ……まだ内通者の絞り込みができておらんのだ……すまない。」
「いや所長、チャンスかも知れませんよ?あえて受け入れ体制をする様に、一部の人のみに指示を出せば、そこに内通者が居れば色々と分かるのでは?」
「だが、君たちを危険に晒す可能性があるのではないか?」
「そこは、沙月さんやセレスも居ますから何とか出来るように努力しますよ。」
「そうか……わかった。すまんが協力してくれ。」
と電話でのやり取りを終了した。
「さてと…3人共移動しよう。」
「「「はい(は〜い)」」」
と移動を開始し、車で四国から出て、岡山に入りそのまま大阪方向に向かった。
「沙月さん、他国バレていると思う?」
「間違いなくバレましたね。後はバレてから何時間位経っているかで、状況が変わりますね?とりあえず襲撃されてもセレスちゃんも居ますし、問題無いとおもいますが、どのタイミングで来るかが問題です。それが読めないと私もセレスちゃんもずっと待つわけにはいきませんから……。」
「とりあえず、休憩がてら高速を降りて今日の宿探しかな?」
「そうなりますが、悠一さ〜ん遠回りしてもいいですか〜?」
「沙月?どう遠回りするの?」
「日本海の方に回って宿を取って、そこから京都方向に経由し、静岡に向かおうかと。」
「それはいいけど、どうしてか聞いても?」
「襲撃する人に取っては、私達の居場所がバレた事は日本から私達に知らされると踏んで、そこから静岡のセンターゲートに戻ると内通者から報告があれば、急いで戻ると思いますよね?そうすると、四国からなら山陽道から名神、東名と帰るのが最短になり、その道中で宿を取ると仮定すればそこに網を張るのではと思っています。なのであえて遠回りしてのんびり帰ろうかと思いました〜。ついでにのんびり帰れば内通者からの報告が、虚偽ではないか?とか本当は戻って来ないのでは?と疑心暗鬼にする目的もありま〜す。」
「あっ……ソウナンデスネ。じゃあ、結……日本海側でホテル探そう。」
「うん。探す。」
俺達は四国か瀬戸大橋を渡り、日本海に向かって行った。
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