第58話 襲撃
黒い奴のおかげでひどい目を見た……
家に戻ったら戻ったで、しっかり絞り取られました。
次の日の朝、3人がツヤツヤした顔で朝ご飯を食べていた。
(なぜ、こんなに皆さんお元気なんでしょう?けっこうハードな戦いをしてましたよね?)
今日も朝からセレスと結による、俺の実験をしているが、やはり撃ち込んだりしないと効果が分からない様で、フローティア王国の森での実験については、デカイ黒い奴がいるからと結が拒否したため、沙月が自衛隊の演習場を使用できるか確認をしてもらっている。
「セレスちゃ〜ん、駐屯地の射撃訓練場なら使えるみたいなんですが、行きますか〜?」
「行く〜♪」
と言うことで、近くにある自衛隊の駐屯地にやってきて、射撃訓練場を借り、実験をすることになった。
沙月が、色々な手続きをしてくれたみたいで、自衛隊の入口で検問の隊員さんに声かけられた以外は、誰にも会わずに訓練場に来れた。
中に入っても誰も居らず、結がそのまま実験用機材の準備を始めた。
そして、俺の魔法を顕現し10メートル離れた的に向かって投げ出そうとして………
「セレス……これ、どうやって撃てるの?スピードゆっくりだし、的まで届かない……」
「え〜っと…………走って殴るように当てる?」
「あ〜なるほ?ど?………はっ、はっ、ふん!!」
セレスに言われ、的に向かって走り、助走付きのピンポイントバ〇アパンチもどきで、的を殴ってみたが的から、ガン!と木の板みたいなの殴りましたと言う音が響き、素手の俺の手がスゴく痛かった。
「………………。(チラッ)」
的に手があたったまま、セレスたちのいる方向を見たが、
「「「(スーッ)……………。」」」
無言で、セレス、結、沙月は俺と目線を合わせないようにあさっての方向を向いている。
「あの〜セレス?」
「あ〜ユウイチ?手は大丈夫?」
「うん。痛いけど大丈夫……?」
「どうしたの?」
「痛いんだけど……、手が赤いとか傷があるとか無いんだよね。」
「え?悠一、手を見せて?」
的に当てた右手を、近づいてきた結が診ている。
その時だった……沙月の方から携帯のバイブ音がして、すぐに沙月が画面を確認し、電話に出た。
「はい、卯花です。
・・・・・・・・・はい。分かりました。」
と電話を切り、
「悠一さん、結先生、セレス様。今すぐ移動します。急いでください。」
そこには沙月の真剣な顔が見え、すぐに俺達は最低限必要なものを取り、移動を開始する。
訓練場の外に出て、自分たちが乗ってきた車が見えた所で、
「待った。」と沙月が俺達を静止した所で、見えている自分たちの車に何かが当たり、ドーンと大きな爆発音と共に車が爆発した。
「そのまま建物の影に行きます。セレス様、いざという時は悠一さんと結さんを守りながら、一緒に逃げてください。」
俺達は近くの建物の影に隠れ、沙月が拳銃を取り出し、いつでも撃てる用意をしていた。
「悠一さん。今の状況の説明を簡潔にします。悠一を狙った襲撃です。」
「俺を狙った………。」
「その通りです。国内の者が手引きして友好国の部隊が、正規の手段でこちらの駐屯地に入り、私達を襲撃しました。」
「それ確実に国のお偉いさんでなければ無理だよね?」
「そうですね。最悪想定で、国のトップ通しで話ができているかも……です。」
「まじかよ…。」
「今、私の所属していた部隊が近くの演習場からこちらに向かっているそうです。20分あれば着きます。」
現状を沙月に話してもらっていたが、駐屯地の中で車が爆発したのに、誰も近づいてこない………。襲撃してきたが、周りが静かだ………。
「みなさ〜ん、状況的にかなり不味いです。駐屯地内も敵だらけかも知れません。」
「「「・・・・・・・」」」
沙月が建物の影から、顔を少し出して周辺の確認をしながら言ってきた言葉に、俺達は絶句していたが、少し間を置き
「沙月、どういうこと?」と結が、問いかけた。
「おかしいです。飛翔物で車が爆発したのに誰も来ません。それに駐屯地内のサイレンや警戒音も鳴らないのもおかしいです。これは事前に裏で取り決められているか、駐屯地が制圧されている可能性がありますが、短時間で制圧は無理です。」と沙月が首を横に振っている。
「そういうことなら、裏で何があったのね。」
「ねぇ、どうする?魔法で防御しながら、移動する?」
「そうですね~、セレス様はどのくらい魔法が使えますか?」
「う〜ん……、精神が持てば丸一日くらいかな?」
「そっ、そんなに出来るんですね〜」
「あっ、でもユウイチがいるから、休み休みだと永遠にいけるかも……。」
「「「へっ?」」」
「ちょっと考えさせてください。
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セレス様、周辺の検索を出来るような魔法はありますか?」
「動くものなら探せる魔法は使える。」
「今すぐお願いします。」
「ん………、いくよ。」とセレスから、水のような薄い膜が出できて、風船の様に膨らんでいき、周辺の建物や俺達を突き抜けていき、俺達の目では見えなくなるくらいまで大きくなっていった。
「沙月お姉ちゃん、この周辺には外に10人居て、こことあそことその裏の建物の中には100人位いるよ。」
「ありがとうございます。その中には私が持っている拳銃や拳銃に似た大きい塊を持っている方はいますか?」
「外にいる10人は持っていそう。」
「そうですか………無力化して進むには多いですね…。」
「う〜ん、気絶させればいい?」
「そうですね~出来れば殺したくはないですね……。」
「じゃあ
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・
はい。気絶させたよ。」
「はい?」
「セレス?気絶させたの?」
「うん。魔法で気絶させた。」
「「マジですか…」」
「セレス様、あと外で動いてるものに動きはありますか?」
「少し離れたビルの上に、私達へ殺気を向けている人が3人がいるよ。」
「スナイパーですね。セレス様?どうにか出来たりします?」
「うん。今やってる………よ。
出来たよ。」
「……………ありがとうございます。」
気がつくとセレスが周りの敵と思われる人達を気絶させていき、俺と結は何が起こっているのか理解出来ずに、ただセレスと沙月の会話を聞いていた。
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