第57話 駆除
この日の訓練は、セレスが暴走し、沙月と結が止めるまで検証が続いた。
それでも夕方には帰路につき、次の日もセレスからのお願いで昨日使用した練習用の部屋に入り、エーテルを顕現させ、セレスと結が研究用のデータを取っていた。
データを見ていたセレスと結が、
「う〜ん………さっぱりわからないよ〜!」とセレスが両手を上げて、
「魔法を出すだけだと、何の魔法かわからないわね?」結も首を捻っている。
「ユウイチ♪ちょっとフローティア王国の外に行って、実験しない?」
「えっ?じ…実験って、何をさせられるの?」
「ちょっと撃ってもらっても、攻撃性ありそうなら、魔獣に撃ってほしいかな?」
「う……うぅ……撃つの?生き物に?」とうろたえる俺に、
「セレスさ〜ん、いきなり動物を撃ては、悠一さんには〜難しいですよ~。」沙月がフォローしてくれた。
「………そうなの?」
「セレス、悠一もだけど、私もこの国のルールで、生き物を理由無く殺傷してはいけませんと言われているの。」
「えっ、でも家に出た黒ぃ…」「セレス。それ以上言ってはいけない。」「そうですね~Gは滅ぶべきものですね〜。」
(ゴ〇〇リね……。あれはいらないよ)
「そうなの?でも…森に行くとアレの大きいのがいるよ?」
「「イヤ〜!!!」」
「セレス?とりあえずね、俺も黒いのは仕方ないと思ってるけど、動物とか、人とか撃てと言われても無理だよ?そりゃあね?セレスや結、沙月が襲われたりしたら躊躇無く撃つとは思うけど……。」
大きいGと言う衝撃に混乱していた結と沙月が回復して
「「悠一(さ〜ん)」」
(おや?2人の様子が………)
「はい?」
「悠一、ちょっとフローティアの森に行って、駆除しに行こうか?」
「いいですね〜。私も部隊から小銃とか支援兵装借りてきて〜お手伝いしま〜す♪」
「ふぁ!?2人共何言い出してんの?」と俺がびっくりして問いかけると
「ユイもサツキもどうしたの??ダメだよ。」セレスもびっくりして2人に問いかけたら、結と沙月の首がグリンと回りセレスを捉えた。
「「セレスちゃ〜ん」」
「ぴゃぃ!?」と結と沙月の顔が怖すぎてセレスマジビビリになりつつ返事をし、
「森に奴がいるのに駆除しないとか言わない…………よね?」
「あれは〜いないほうがシアワセデスヨ〜ネ?」
と結と沙月が首をコテンと傾けながら、焦点の合っていない目をセレスに向け問いかけているが、セレスはセレスでそれを見て、腰を抜かしたのか床にぺたんと座り込み後ろに逃げようとしている。
(ヤバい何か、完全に地雷を踏んで爆発してるよな?結と沙月がヤバい事になって、セレスチビってないかな?)
「ゆい〜!さつき〜!そこまでにしないと、セレスが怖がって泣くか漏らすぞ〜。」
「「………へっ?(へ〜?)」」
「ユウイチ!?」
俺の問いかけに結がセレスの顔を見て、沙月がセレスの股間を凝視し、それに気がついた、セレスが股間を押さえ、漏らしてないよ〜とアピールしつつ、2人が止まったことを確認し、セレスが逃げるように、俺に飛びついてきた。
(ちょ〜っと、セレス危ないよ!身体能力高いのはわかるけど、危うく腰がイキかけたよ………、ってかこの体制、カエルみたいに飛びついて、俺の首にぶら下がって、俺も飛ばされないように捕まえたけど、太ももと腰に腕を回して捕まえているみたいになってるし、これ…………完全に駅弁やん……。ほら2人がなんでそんな体位してるの?みたいな顔してるやん。この体制密着してるから、悠一のユウイチ君が元気になって、いつでもイケます!!ってなってるし、セレスもユウイチ君に気がついて、ユウイチ君の頭を腰の付け根でサワサワしてるし…………今はやらないよ?服も着てるしね?ダメダヨ、セレスさん、俺の腕を疲れさせて自分の腰を下げようとしないで!?服を脱ごうとしないで!?)
「「悠一(さ〜ん)あとでつきあってね?」」
(つきあっての所の意味をききたいのですが?付ですかね?それとも突?どっち?まぁつきあうのはいいんですが、何か色々と疲れたので、)
「え〜っと、帰りませんか?」
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