第51話 責任

「悠一さ〜ん。セレス様が〜不憫です…。」


俺は今、沙月と結の目の前に座って、昨日のセレスさんとの件について、事情(尋問?)を聞かれている。

大人しく全てを話した所、沙月さんがお怒りになり、結は「このバカ」と言わんばかりの顔になっており、セレスさんは『ユイ先生と間違われた………』と嘆いており、沙月から先ほどのお言葉を言われる事になった。


(確かに俺が結とセレスさんを間違えたのがそもそもではあるが、セレスさんがここまでアグレッシブな事をするとは思わず。沙月もセレスさんが覚悟を見せれば、俺は受け入れてくれると思ってたとか…。)


「本当に私と間違えるって、バカだよね?で、セレスさんの責任をどう取るの?切る?」と結が指でハサミにしてチョキチョキしている。

「切らないで!俺のヲ、キラナイデ!!」と股間を押さえている。

『エッ?!なに?』とセレスさんはびっくりしている。


「それはそうと〜もう少しでマールス様が迎えに来ますよ〜どうします?

「「『あっ……』」」



『ユウイチ♪セキニンヲトッテクレルヨネ?』

「悠一、責任を取ってくれるよね?」

「悠一さ〜ん、責任とりましょうね〜」

「………………マールスさんとお話します。」


「「『ガンバレ〜』」」


昼になりマールスさんが、迎えにきた。

『ユウイチ。昨日は、大丈夫だったか?姫様が何かご迷惑をかけていないか?』


「それがですね……………申し訳ございませんでした〜。」

初手  土下座  相楽悠一

『ユウイチ…………何があった?』

「『マールス』さん。『セレス』さんとしてしまいました。」

『な……ん……だ……と…………姫様は……どこに………?』

「中にいます。」

『そうか……ちょっと待ってろ。』

とマールスさんはドスドスと足音を立てながら、部屋へ入っていった。

すぐに騒いでいる音が聞こえてきたが、すぐに静かになり。マールスさんがニコニコしながら(?)出てきた。

『ユウイチ、責任をとろうか?』


「………………へっ?」

俺は、マールスさんに言われたことが理解できず、間抜けな声を出しながら、目が点になった。



『ユウイチ、何を驚いている(笑)やったものは仕方ない。潔く責任を取ろうか(笑)』

「『マールス』さん、どういう事?まさか……………………ハメたな?」

『ハメたのはオマエだろ(笑)ちゃんと責任はとれ(笑)』

「ぐっ……ぬぬぬ。げせぬ!」


『まぁそう言うなユウイチ、今回だけはこれしか方法が無かったからな。諦めて責任を取れよ!』

「わかってますよ。『セレス』さんと一緒になります。」

『ホントに?ユウイチ……イイの?』

部屋からセレスさんが顔だけ出してきた。

「『セレス』さん。」

『はい。』

俺は、セレスさんの前に行き、セレスさんの前で膝をつき、

「すごく、すご〜く締まらない形になってしまいましたが、

『セレス』好きです。これからも一緒に歩みませんか?』

『もちろんです。ユウイチ、私をもらってください。うれしい………』

『姫様、おめでとうございます。

で………ユウイチ、国王様の所に行こうか?姫様の御父上に挨拶はいるよな?』

「そうですね。ご挨拶でね……………ガンバリマス。」

『では日程は調整するから、大人しくしておくように。姫様、帰りますよ。』

『は〜い♪ユウイチ待ってるね。ユイとサツキもまたね。』

そう言いながら、セレスとマールスさんが帰っていった。


その日は何もなく終わり、

次の日俺と沙月、結の3人は、新しい家に引っ越した。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る