第16話 恥ずかしいぞ!
「『セレス』さん、いや『セレス』様が姫様ですか?」
(うぉ〜、ヤベェ、ヤバ過ぎるよ、
姫様に普通に話していたし、
抱き着かれたり、
美乳様をガン見したんですけど〜。
俺、不敬罪とかになりませんか?)
俺が顔色が赤や青、白くなっている様を見ていて
マールスさんが笑いながら
『ユウイチ、顔が楽しいことになっている所で悪いが、
セレス様は君に申し訳ない事をしたと落ち込んでいたよ。』
(ん?落ち込む?どういうことだ?)
「『マールス』さん、『セレス』様が、
落ち込んでいるんですか?」
『そうだよ。
ユウイチに治療薬を使用した時に、
治療に激痛が伴うと言う話を、
セレス様がしていなかったかい?』
「していましたね。」
『痛みは確かにあるんだが、
私達が使用しても激痛は、
状態の程度にもよるけど、
5分も掛からずに痛みは無くなるんだよ。
だが、ユウイチの場合は、
危うく死にかける手前であった様でね、
まぁ30分以上激痛に晒されて、
よく死ななかったねって、私達は驚いてたんだけどね。』
(確かに死ねるわ。ただそれはセレスさんは関係なく無い?)
『その光景を目の前で見て、姫様はユウイチを自分の手で、
殺してしまう寸前まで追いやったと感じ、落ち込んでるんだよ。』
(投薬をしたのは、確かにセレスさんだけど、
それを望み願ったのは俺だ。
セレスさんは何も悪くないだろ!)
「そうですか………『マールス』さん、
『セレス』様に伝言をお願いしてもいいですか?」
『お受けしよう。』
「『セレス』様は馬鹿ですね。顔が見たい。とお伝え下さい。」
俺の言葉にマールスさんが一瞬だけ笑いそうに(笑ったよね?)なりながら、
『ユウイチの言葉は、必ず私から伝えよう。』
「よろしくお願いします。」
マールスさんと向かい合って、笑い合っている。
『さぁ、ユウイチ訓練を始めようか?』
(そうだった……
訓練に来てましたね。
ちょっと恥ずかしいぞ!)
俺は、顔を真っ赤にしながら
「よろしくお願いします。」
と伝え、マールスさんに促され、今いる部屋のまんなかで座っている。
(落ち着いてこの部屋を見てみると、
部屋の大きさは10メートル位の四角形で
高さは5メートル位かな?高いな〜。
床はオフィスにあるようなカーペットマットかな。)
『さて、これからユウイチには、
エーテルを感知し、魔法として顕現出来るようになってもらう。』
(きた!魔法の話だ。)
「はい。よろしくお願いします。」
『では、まず魔法についてだか、
見せた方が早いので、顕現させよう。』
そう告げると、マールスさんの手の上にこぶし大の火が出てきた。
『これは、エーテルで火を作った状態だ。
これを顕現と言う。』
(ん〜ん?どうやれば何も無い所から火が出る?
エーテルを集めるのかな?全然分からん。)
「『マールス』さん、さっぱりわかりません。」
(おや?)
マールスさんが固まってるぞ?
『あれ?おかしいな?顕現させれば、
子供でも原理を理解出来るんだけどど?』
(何か俺と、マールスさんの間で、
決定的な何かが噛み合ってない気がする。)
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