第15話 マールス

次の日の朝


部屋に入ってきた夏川先生から、いきなり祝福された。

「相楽さん。おめでとうございます。

卯花さん泣かせたら、切りますからね。」

(昨日の聴こえてたんですね。すいませんでした。

あと………切らないように努力しますから、

そんな見惚れる程の笑顔で手をチョキチョキしないでください。)


卯花さんはベッドの横においてある椅子に座り、

いつも通りの笑顔でいた。


今日から魔法の訓練をする事になっている為、

俺は施設の男性スタッフと共に、

施設内の別の部屋に案内された。


『こんにちは。』

「こんにちは。」

部屋に入ると、銀髪の超イケメンの男性が挨拶をしてきた。

俺はすぐに挨拶を返した所で、

案内してきたスタッフが驚いた顔をして、

俺から距離を取った。

(うわ〜イケメン。隣には立ちたくないな〜。

ん?スタッフさんはどうした?

何で距離取った?何かした?)


「わっ!わたくしは案内が終わりましたので、戻ります。

終了予定の時間になりましたら、参ります。」

と言い残し、スタッフさん退室していった。


スタッフさんが退室した所で、

俺は再度目の前のイケメンを見た。

身長は180センチ位かな?(俺は166センチ)

体型は細そうだけど、服で分かりづらいなぁ、

服はハーフマントかな?肩から太ももまでのマントを着けてて、

ズボンは黒色の革製っぽい光沢のあるパンツ、

シャツもパンツと同じ感じかな?

顔はやはりイケメンで、

髪は銀色で前髪は後ろに上げていて、

他は肩口で切り揃えられたサラサラヘアー

(セレスさんは金髪だったかな?)、

セレスさんと同じで、耳が地球の人と比べると長いな。

(やっぱりアニメで言うエルフだよね。)


あまりにジロジロ見るので、目の前のイケメンが

困った顔になっている。

(ヤベェ、不躾だった!)

「ジロジロ見て申し訳ありません。」

と言いながら、俺は頭を下げる。


『気にしなくて大丈夫ですよ~、

この世界の方は私達がエルフ?と言う

空想上の人種に似ているそうで良く凝視されますので。』

(誰だ、エルフをこの人に教えた奴は!!)

「本当に申し訳ありません。

自分が嫌な事は、他の方にしてはいけないですよね。」

『そんなに気にしてないですよ〜。

しかし貴方は、本当に私の言葉がわかるんですね。』

「そうですね、何故かわかりますね。

おっ、私(俺じゃない)としても、

普通に会話しているだけなんですけどね。」

『ハハハ(笑)おっと、自己紹介が遅くなりました。

私はマールスだ、よろしく。』

「『マールス』さんですね。

よろしくお願いします。

私は相楽 悠一と言います。

よろしくお願いします。」

挨拶を交わした所で、マールスが目を見開き固まっていた。

(あれ?俺なんか失礼なことした?!)

「『マールス』さん、何がありました?俺、何かしました?」

すぐにマールスさんはこちらを見ながら

『いや、分かるどころか、話せるんだね。

話には聞いていたが、実際に聞いてみると感動するね。』

「驚かせて、すいません。」

『大丈夫だよ。セレス様から聞いていたが、

ユウイチにはたくさんびっくりさせられたと、

言っていたからね。』

(んっ?今セレスさんの事言わなかった?)

「『マールス』さん、

今『セレス』さんに聞いたって言いました?

『セレス』さんを知っているんですか?」

『知ってるも何も、

セレス様は我がフローティア国の姫君になりますよ。』





(あ〜姫ですか〜

マジで?)


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