第13話 使いたいです。

散歩から戻り、検査の時間という事で、

迎えに来た施設の男性スタッフに案内され、

さっき散歩の途中で通った、扉を入ると、

CT機やレントゲンの機械がある部屋に到着し、

そこで検査をし、血液を採取されれば、

今日の検査は終了との事で、

卯花さんと部屋に戻ってきて、

ベッドに戻ってから、

卯花さんから、柔軟体操を行うとの事で、

いきなり歩いたりするのは、流石に危険と言うことで、

ベッドの上で、腕や足を動かし、1時間位で終了し、

今日は、他に何も無く食事(点滴と水)して終了。


卯花さんに色々お世話をしてもらったが、夏川先生には会えなかった。

(夏川先生、なんかごめんなさい

良いものを見せていただきました。)




そして次の日から、リハビリが始まり夏川先生も会えたが、

最初は顔を真っ赤にして、挙動不審な感じであったが、

2、3日もすれば、普通に声をかけたり、

診察をしてくれる様になっていた。




それから1週間が経ち、

俺は壁に手を付けながらだが

杖や補助無しで歩けるまで回復していた。

食事についても、点滴と飲料物から

点滴と流動食、流動食と牛乳と果物と順調に食も回復していった。


「相楽さん。そろそろ筋トレとかを開始して、食事も一般食にしましょう。」

夏川先生が笑顔で、診察をしていた。

(まじかぁ〜ようやくここまで来た。ご飯が食べれる。ようやく車椅子ともお別れが出来るな、グッバイ車椅子

ありがとう車椅子。)


「相楽さん。あと、大事なお話があります。

リハビリと同時並行でエーテルを使える様にする

訓練をしていただきます。」

(エーテルを使える?ってか、訓練?)

困惑している俺を見ながら、夏川先生が

「驚くのは、無理ありません。相楽さんは、

エーテルを高濃度にした治療薬を使用し

肉体的にも問題ないと結果が出ています。

その結果を持って、あちらの世界の能力が

使える可能性が非常に高いと結論づけられました。」

(能力って、まさか?)




夏川先生がすごく良い笑顔しながら


「相楽さん、魔法使いたくないですか?」「使いたいです。」

夏川先生が即答したことにビックリしながら

「即答ですか!!そうですか。もうちょっと考えても良いんですよ?」

「大丈夫です。やります。バッチコイです。」

「そっ、そうですか、わかりました。

わかりましたから、相楽さん、近いです!」

(ん?)

俺は、気がつくと夏川先生の目の前にいて、

もうお互いの鼻と鼻がつく様な距離にまでにじり寄り、

俺の右手は壁に着いており、

いわゆる壁ドンを夏川先生にしていた。

夏川先生は俺と目を合わせたまま、

顔を真っ赤にして、手を胸の前でワタワタしていた。(なんかかわいいな)


(魔法使いたいです。

興味大ありです、

ってか、先生まつ毛長いな〜、

切れ長の目も素敵ですね〜、

肌も綺麗だな〜、

ほっぺた触ってもいいですか?

ん?アッヤバイ 近づき過ぎた。

身体がヤバイ…立ってるのもやっと、

壁さんありがとう、

危うく先生に抱きついてセクハラに

なるところだったよ)


しばらくすると、

俺がプルプルしている事に気がついた、

卯花さんに支えられベッドに戻されて、

強制壁ドン状態が開放され、

俺が疲れているという事で、

今日のリハビリや診察は終了。

続きはまた明日になり、夏川先生は早足で退室していった。

卯花さんはというと、

さっきまで夏川先生が座っていたベッドのそばにある椅子に座り、

俺の方を笑顔で凝視されておりました。


(卯花さんが、すごく見てますが、俺なんかしたかな?

さっき助けてもらった時に支えてもらった時に

お胸様に腕が包まれて至福を味わっていたのがバレたかな?!




どうしよう謝ったほうがいいかな?)

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