第12話 素晴らしいです。

水を飲んで、一息ついていると、

俺の身体を支えている卯花さんから、

「相楽さ〜ん。検査の前に少しお散歩しませんか〜?」

(?散歩?)

「散歩ですか?どこに行くんですか?」

「えっと〜施設の中で行動してもいいエリアを

聞いてますので、そこまで散歩しましょう♪」

(ほうほう。施設の中は俺も見たかったし、行きたいな。)

「わかりました。よろしくお願いします。」

「じゃあ、車椅子持ってきて、運びますね〜」

(そうか、散歩や移動で車椅子を使う時は、

もれなくお胸様へのダイレクトアタックが出来ちゃうのか〜〜♪

ヒャッホ〜イ♪)


車椅子をベッドの横に持ってきた卯花さんが、

俺を朝の如くお姫様抱っこをして、

ベッドから車椅子へ俺を移動させ、

車椅子をそのまま後ろから押していき、

部屋を出て、隣の部屋の前で止まった。

(ん?この部屋は、夏川先生と卯花さんが

使用している部屋だったかな?)


《コン、コン、コン》

「失礼します〜、卯花です〜。入りますね〜。」

(卯花さん、返事聞くこともなく開けるんだ

…………………あっ!)


卯花さんが扉をスライドさせると、

部屋にいた、夏川先生が扉を開けそうになった状態で、

固まっていた。





下着姿だった。



「先生♪相楽さんと散歩に行ってきます〜♪」

「アッ、ハイ、イッテラッシャイ……………。」

それだけ聞くと、卯花さんは扉を閉め、

俺の車椅子を押し進みだした。

後ろの方から、夏川先生?だと思われる奇声が聞こえてきた。


(え〜っと………………

卯花さん、なんでいつも通り?


夏川先生は黒とピンクのレースですか。

小胸様かと思いや、お胸様でしたか。

着痩せしてたんですね。

谷間がしっかり見えております。

腰細っ!!

お尻様もキュッとしてますね。






素晴らしいです。

脳内フォルダに永久保存しておきます。




ただ、次会う時にどういう顔をすればいいのかな?かな?


上を見上げれば、

卯花さんが見えるけど、

微笑んでますね〜、すごくにこにこしてますねぇ〜。



もうどうにでもな~れ。)




散歩を始めて10分位は真っ直ぐな通路を進んでいるが、

扉はいたる所にあり、扉の横にカードリーダーがあり、

カードが無いとそこに立ち入れなくなっていた。

(色んな部屋がありそうだけど、セキュリティー厳しそうで、

迂闊に触れなさそうだな。

この通路もメインの導線っぽいけど、

監視カメラとか、防犯センサーの類が無いよなぁ?


部屋が厳重なのに、通路は何も無い訳ないよなぁ。

何かおかしいな〜?)


「卯花さん。」

「は〜い、何ですか〜?」

「外とかは見えなんですか?」

「ごめんなさい〜。

教えてもらったのは、この通路だけで〜、

他の道には行けないみたいなんです〜。」

(んんっ?

もしかしてこの通路から出れないから、

カメラを設置する必要が無いとかかな?

この施設、ほんと何の施設?!)

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