第3話 やります。

話を終えて、夏川先生からは返事は考えて答えてくださいとのことで、今日は教えてもらってそのまま終了。


食事の時間………

といっても点滴から栄養補給なんだけどなぁ。

看護師さんが入ってきて、身体に刺さっている針の管に点滴を繋げていく。


「いつもありがとうございます。」

と看護師さんに伝えるとびっくりした顔をしたあと、微笑みながら

「大丈夫ですよ~。身体に変なところとかあればすぐに行ってくださいね〜」

この看護師さんは卯花(うのはな)さんと言って、昨日身体を拭いてくれた看護師さんとは別の方だ。

(話し方からはのんびりしてそうな女性だけど、テキパキと準備が進んでるなぁ〜)

ちなみにお胸様がすごくてガン見してしまい、それに気がついた卯花さんに、直視されたが、名札が付いていないと指摘し、名前を教えてもらいました。

ガン見してゴメンナサイ。それは凶器です。男なら見てしまいますよ。

(ってか卯花さんに身体拭かれたら下半身が元気なるよな〜 良かった。反応しない身体で)


「また点滴終わる頃にきますね〜」


(とりあえずいままでのことと明日からのすることの確認かなぁ)


まずは倒れたのが4年前、警備会社に管理職として勤めていて、法律や職業柄から来るルールをまとめて新規の現場に落とし込む為の資料と現場に送る人員の手配や今ある現場との調整で忙しく、毎日残業して、残業時間が労基案件になっていた状況の中で、帰る時に階段から落ちました。

(あれ?これ労災だよな)

そのまま目覚めず

去年に傷病給付金の受領と同時に会社は退職扱いになりました。

(俺、無職……)

目覚めました、

看護師さんにびっくりされて、

先生に身体まさぐられ、

看護師さんに身体を隅々まで拭かれ、

次の日に治療方法の説明を受け、

先生から異世界信じますか?

異世界からのお薬を試しませんか?←今ここ


(わけがわからないよ)


これからが

1 治療しないのであれば介護施設へ行け!

2 頭開けて脳に器具つけて、外の機械と繋げて、身体に電気信号流して動かしますよ~。(成功確率器具つけるの7割で 身体が動くのがそこから1割)

3 異世界の治療薬を使用する。(やったことないから成功確率不明)


の3つ


1は無理かなぁ〜

精神的に耐えられないかも。

2は可能だけど……成功しなかった時はどうなるのかな?明日聞いてみよう。

3は出来るのかな?誰か使ってくれないかな?待ってはいかんかな?!


そういえば俺…………家どうなった?

自宅のマンションはどうなったんだろう。

携帯や車とかどうなってるんだろう?

気がついてしまうと、気になってしまう。

ヤベェ…………

諦めよう。とりあえず明日先生に

色々相談して決めよう。



次の日の午前中に夏川先生がやってきた。

「相楽さん、体調はどうですか?」

「先生、色々聞きたいことがあります。」

「はい大丈夫ですよ。何が聞きたいですか?」

夏川先生に昨日考えた事を聞いてみた。

「電気触媒の治療ですが、失敗?う〜んっと、成功しなかった場合はどうなりますか?」

「頭部の器具取り付けの際に下手すると死亡する可能性があります。」

(うわ〜聞きたくないワードきたよ)

「そうですかぁ。脳ですから、そうなりますよね。では、エーテル治療で失敗するとどうなりますか?」

「わかりません。」

(予想外な答えだ〜)

「どういうことですか?」

「地球の人に試したことがなく、どういう反応が起こるかもわかりません。」(そりゃそうだよね。)

「エーテル治療は誰かが使用したあとに、問題なければ使用するというのはだめですか?」

「可能です………が正規の治療薬として承認されますと、治療薬を使用するのにおそらく億単位の費用が必要になります。」

「………マジですか?」

「治療薬についてですが、昨日説明した通り色々な治療が出来ます。現在の地球の医療技術では不可能なことも可能になるため、確実に世界各国で取り合いになることになり、取引が高額になる事が予想されています。

ただ、まだ誰も使ったことがないので、信憑性の無い情報として上がって

いるためにまだ各国で、使用されていないんです。」


(う〜ん、今受けないと、無理かな?)

「先生、受けるとしたら、どうすればいいんですか?」

「受ける気になりましたか?」

「はい。実験でも何でもしてください。」

「おっと、実験ではないですよ治験ですから。

では正式に受けるための手続きに入りますね。今さら嫌とかは無いですよね?」

夏川先生がニヤリとしながら俺の顔を覗き込んできた。

(近っ!先生の顔まじまじと見た事なかったけど、先生も美人だな〜。胸はストンとしてるけど)

「はっ、はい。やります。」

「よろしい。手続きを進めていきますので、相楽さん。

あらためてよろしくお願いします。」

夏川先生が退室していった。


その日から手続きのために、弁護士さんや色々な先生が来て、契約書を見てサイン出来ないので、承認したことを宣誓したり、レントゲンやCT、血液など検査に明け暮れ 忙しい日を送った。




1週間後




ようやく治療薬を使用する時が来た。






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