第2話 治療方法?

「介護施設はわかるのですが、治療方法?というか、機械?電気?エーテル?どういうこと?」

困惑たっぷりの俺は、夏川先生に問いかける。

「電気触媒での治療についてですが、

まず、身体を動かすために脳から電気信号を送り手足や内臓、それこそ心臓も動かしているのは、知っていますか?」

「学校で聞いたことやテレビとかでの簡単な情報は知ってます。」

夏川先生が、安堵した様に

「知っててよかったです。知らない方への説明は丸一日で終わらない可能性がありましたので、早い話が頭部に機械を着けて脳から足を動かす、手を動かすなどの信号を機械を通して手足に送るための装置をつける治療になります。」

(理解は出来るが……出来るの?)

困惑している俺を見ながら、夏川先生が

「治療としては、頭部を開けて電気信号を感知する器具というか触媒を脳に取り付けて、頭から一度外部の機械を通して首のあたりから信号を通す触媒を各手足に着けて、自身の意志で身体を動かすという治療になります。

ただ……

成功確率は機械を脳につけるのが7割、信号を受信し実際に身体が動く様になるのは1割あるかないかになります。治療ができるもので一番成功確率が高いものになります。」

(お〜っとコレは無理じゃないかな?)

「次にエーテルでの治療ですが、これは相楽さんが寝ている間に確立された技術……というか、新しく持ち込まれた技術になります。」

(持ち込まれた?どういうこと?)

「これは地球外から持ち込まれた技術ですが、相楽さん、異世界は信じますか?」

(うわ〜、夏川先生が超笑顔ですね〜異世界かぁ?ありかな〜)

「マジですか?」

「嘘言ってどうするんですか?」

「そうですよね……」

「実は3年前に、日本のとある場所に穴……別の場所につながるワープホールが出来て、その穴の先にある国と交流を開始し、国交を樹立しました。

その国…というかその世界が魔法と剣の世界で魔獣など超常の生物が闊歩する世界になります。」

(ちょっと待って〜頭が追いつかない)

「でその世界はエーテルと言うものに覆われており、そのエーテルが魔法の根源になっています。」

(エーテルって出てきたけど、前の魔法とか魔獣とかが飲み込めてない。)

「先生ストっ…」

「エーテルを濃縮し身体を治せる様にする魔法で作った治療薬がありまして、それを相楽さんの治療に使用できます。」

息を荒らげながら夏川先生の説明が終わった。

(フ〜フ〜言ってるけど、先生大丈夫かな?)

「え〜っと、先生?すごく聞きたいパワーワード一杯あるのですが、まず治療方法で聞きたいのですが、治療薬というのは使えるの?」

「ゴホッ!ゴホッ!失礼しました。使えます。というか使った症例がまだありません。」

(おや?不穏な響きがしたな)

「使ったことはないの?」

「正確に言えば、地球の方が使用したという前歴がありませんので、使えるかどうかがわかりません。」

「…………使えるの?」

「あちらの担当の方からは、エーテルに満たされた世界では、万能治療薬というのがあるので、怪我などは万能治療薬で治療していたとのことで、身体の欠損は無理でも、切れた腕を元の場所に戻すのは可能というすごい薬なんですよ。

ただ、地球では薬事法みたいに人体に使用するなどは許可が必要で色々と試している状況で使用できないのですが、ようやく臨床薬としての承認がでて、誰かに試さないといけないそうで、相楽さん試しませんか?」



(俺は実験体かな?)

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