各世のかわり〜現代で魔法が使えるようなりました〜

コメット

世界が変わる時

第1話 起きました。

目覚めたら、知らない場所にいた…。


「なんで寝てた? どうなってる?」


身体が動かそうとしたら、なぜか動かない。

手足が付いているのはなんとなく感覚はあるけど…

辺りを見回すとベットに寝かされ、頭の上に呼吸器を繋ぐ器具……

ベット周辺はカーテン囲まれていて

他はわからない。

多分病院だよな?


誰か来る気配がある……(何でわかった???)


すぅーっとスライド扉が開く音がして、カーテンがサッと開かれ、

現れたのは、薄い桃色の看護服を着た女性の看護師だった。


(何も言わずにいきなり近づいてきたぞ!)


「「えっ…………」」

お互い目を合わせて時が止まったかの静寂が………。








「起きた〜〜〜〜、先生!先生!」

看護師さん大慌てで退散。

(起きてたからびっくりしたかな?)


数分としない内に、遠くから何人もの走る音がして、近づいてきた。

バンとスライド扉が勢い良く開けられ、人がなだれ込んできた。


(なんだ〜???)


紺色のスクラブシャツを着た女性が近づいてきて、

「相楽さん、わかりますか?」

「??  はい、わかりますよ。」

「身体触りますね。」

女性がいきなり頭や身体を触り始めた。(なに?なに?!)

「え〜っと、どういうこと?」

そこの答えにさっきの看護師さんから

「4年位寝てましたよ。」と回答が

「ハァ〜?!」

「うるさい!!」

触っている女性からお叱りを受けた。


(どういうこと?仕事はどうなった?

俺4年って……41歳になってる。

まじかよ(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠))


「相楽さん、これわかりますか?」

女性が俺の左手を俺に見えるように握っている。

(感覚は…………、無い)

「わかりません。」

「じゃあ次、左足」

俺の左足を肩に担いてきた。

「わかりません。」

「右足は?」

右足も肩に担がれ、

「わかりません。」

「右手は?」

右手を同じように握っている。

「わかりません。」

「胸とお腹触りますね。」

俺の着ている検査着を開いていく。

(身体が見えない。身体が動かないのはどうなってる?)

「相楽さん、触っているのわかりますか?」

「息がし辛いのでなんとなく触っているのはわかりますが、

触られている感覚は、わかりません。」

「そうですか……。」

いきなり騒然としていた空気がお通夜モードに……


「すいません。俺はどうなったんですか?」

「実は………」

この女性は、市立病院の医師で夏川先生。

俺は、4年前に働いている会社のビルの階段から落ちていた所を、別の会社の人に発見され、病院に担ぎ込まれ、

今まで寝ていたという事。

会社は退職(解雇?)しており、昨年から傷病給付を受けて絶賛入院中。

身体については、階段から落ちたときに脊椎を損傷しており、両手足不随になっているとの事。

(まじかぁ⤵)


「今できる説明は以上になります。」


「また明日お話しますね。」

と夏川先生が退室していった。


「じゃあ相楽さん、身体拭いてしまいますね。」

(ん?


今身体拭くって?)


「え〜っと、身体を拭く?」

「お風呂入れないので、いつものように拭きますね〜♪」

(そうか……

俺こんな若い女性に拭かれていたのかぁ~


死にたい(⁠ ⁠;⁠∀⁠;⁠))



そのまま全身くまなく拭かれて、看護師さんゴメンナサイ。

こんなおっちゃん嫌な顔せず拭いてくれてありがとう。


そのまま今日は何もなく……


次の日の午前中に夏川先生がやってきた。


「相楽さんについては、ご家族も居られませんので、治療計画が出来ていませんでしたが、目を覚まされたことで、治療をご自身で判断して頂く必要があります。」

(そうだよなぁ〜独身で、家族の母親と父親ともに他界しており、姉はいるが、縁切って、連絡先知らない上にもう20年以上あってないんだよなぁ。)


「相楽さんには、病院を退院し、介護施設にお世話になる。


身体に電気触媒を装着し、機械から電気信号を出し、身体を動かすための治療。


エーテルを使用し損傷箇所を魔法でなおす治療。

という選択肢があります。」

(この年齢で、介護は俺の精神的に無理………




ん?


機械とエーテル?


機械?????

わかりそうでわからん。


エーテルって何?)

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