第四章 父との話し合い③

☆あらすじ変更を止めました。今の状態(体調不良)では、修正に多大な時間を要することに気づきました😔それなら、続編に力を注ぎたいな…と🥹コロコロ変わってしまいすみません😫


↓本編


 支援金を私の金策で予定していたが、父の反応を見て、つくづく別の財布にしておいて良かったと思った。

 多分だけど、弱者救済の慣習意識が弱い領民の多くが、納税者が未納税者を救済する施策を良し・・としないだろう。

 お父様と領民の間で、後々の不和を招くような真似は、看過できない。


 我が領の現財政では、領都の貧困家庭の支援も厳しいの…とお母様から聞いてはいたけど。

 スラムの人たちが、神の祝福さえ受けれずにいるなんて知らなかった。

 スラムという場所は、難民や貧民が住み着く場所という印象だけど、入領税を支払わなければ入領出来ないスラムは、家賃さえ支払えず追い出された人たちの最終の地だ。外壁にもスラムがあるが、アレは、流民や難民が勝手に住み着いたスラムである。


 スラムの住人は市民権がないと言ったが…領民として収めるべき税を納税確認が出来なければ、市民権は抹消される仕組みになっている。

 流通手段は、陸路の馬車、空路の魔導飛行船アーティファクトか竜騎、航路の船しかない。

 死亡届や転居届がないこの国で、領民の出生や出入りの管理は難しい。領都ならまだしも、村などになると把握は不明なんてザラだった。

 五歳の祝福の儀は、市民登録も兼ねている。普段は村にいる人たちも、この日だけは領都に集まってくるのだ。


 日本では、弱者救済政策は存在した。しかし、ガーディア領は貧乏故に、出来ない・・・・制度だ。仕方ないのだけど、このままでは益々治安の悪化・・・・・に繋がりかねない。

 皆さん、お気づきかもしれないが(←皆さんって誰?)…貧乏ということはそういうことだ。予算の経費で削れる箇所は削りまくり、経費削減を図る。その場所に領地がある原因に、経費の大半は用いられる。

 辺境伯領うちの場合は、軍費だ。隣国の防衛と魔物の駆除遠征。港町で貿易をしているに関わらず貧乏とか…よっぽどだよ、ほんと。


「スラムの方や貧困家庭の方の支援金に、税金を投入する前提でなくて…ほんっとうに良かったですわ!」

「…うっ!」


 私の皮肉に気づいた父は、軽く呻いた。


 先ほども言ったように、確かに税金未納者・非領民を護る慣習はない。

 冷たいようだが、この世界はまだ貧しい。ある種のパーセンテージ王族などの支配者を除いた皆は、自分の生活や責務で一杯一杯だ。だが領地の問題を放置するのは、また別問題。これは、領主の手腕が問われるものだ。

 我が父の能力は、戦闘系に振り切れすぎてないかな…全く。だが、父から聞いたスラムの現状に、私はある案が浮かんだ。


 神の祝福を受けてスキルを授かれば、スキル次第では、スラム脱却も夢ではない。しかも有用な人材も埋もれているかもしれない!

 そんなお宝の原石が眠っている場所を、みすみす放置なんてありえない!すぐにでも祝福の儀を受けさせて、能力把握に務めるべきである。

 しかしスラムの住人は、祝福の儀の『お布施』問題が立ちはだかるワケで。それを始めはこちらが負担して、後から取得したスキルに応じて、労務を割り振り、金額分を回収するのだ。


 父にこの案を進言したいが、彼はなんと言うだろう?私は一抹の不安を抱きながら、口を開くのだった。


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