短編「幸福ノ届物」(完)

不可世

一話完結

時に人は身をやつしてまで

降りかかる雨をかいくぐりながら

荒野を行く

その勇ましさは

きっと喪失を知った時に生まれるだろう

守りたいもの

亡くしたくないもの


それに気づいた時

人は強くなる


だから人と関わることをやめてはいけない

話して、共感して、時に笑えて

時には涙して、


そんなふうに心と心で見つめあって

深く、手放せないほど大切になるほど

濃い時間を刻んでみるといい


そうすればきっと

あなたは守りたいものに出会える

そしてそれがあなたを強くする


でも守るというのは

単に力を貸すだけではない

力を籠め続けるという事だ

一度だけ助けるなら、誰にだって出来る

だが守り続けることは、そう簡単ではない

でも、続けてこそ、より濃い絆と深い理解を得れる

だから本当に守るとは、永遠を誓うこと

ずっと傍にいるという事


だから間違えてはけない

本当に守れるのは、わずかな人だけだ

家族や、親類、そうした限られた中だけだ


それでも、いい。

いいんだ、妹を弟を恩師を家族を

死ぬ気で守りたいと、そうあれれば、それはもう立派な

強さだ


そうして世界中誰もが、傍に居るものを幸せにしていければ

この世は愛であふれる、優しさで満たされる


だから多くを望まずともいい

近くにいる身近な人を連れて、光を目指すといい


それがあなたを強くする

あなたを成長させる


だから負けないで

あなたは救える、力になれる

あなたの持つ、力で

人を幸せに出来る


だから手を伸ばして

手を取り合っていける

そんな未来を諦めないで

でも、大丈夫だよね


だってあなたは既に

守られたことがある

生きてきたここまでに

多くの支えを経てここへときた

あの時の感動を

今度はあなたが起こす番だ


あなたはきっといい人になる

強さだけではなく、優しさも愛も絆も全て持てる


だから周りを見渡して

泣いてる子に駆け寄ってみて

あなたには出来る

出来るはずだから


じゃ、私も私で、身近にある人を幸せにする

あなたもあなたで、周りに幸せをにしてね


そうして、幸せに触れた人がまた次の幸せの輪を広げる

皆がそうして広がれば

きっと世界は笑顔であふれる


だから、小さなことでもいい

話を聞いてあげて

一緒に泣いてあげて

その優しさは無駄ではない

守り守られる、そんなきっかけになるから

そんな幸せの連鎖を、今日から始めよう


そしていつか誰もが守りたいものを持っている

そんな大切な人であふれた世界にしよう。

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