第133話
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「これで敵軍の三分の一は削ったな」
こちらはマジックスライムに多少の被害が出てるが、ヒューマンスライムたちとは違ってこいつらは数日で倍になるから実質被害無しと言える。
「本来ならばここで退却しなければなりませんが…………これも勇者を頼ってたツケですね」
勇者たちには退却用の転移魔法を使う為の魔道具を確保させている。
なんだかんだ言って勇者がウォルテニアの武器であり、弱点だったわけだ。
今回のウォルテニアの敗因はその武器を大切にしなかったって所だな。
転移魔法が使えない今、この草原の唯一の出口はさっき左翼軍が使ったテレポートゲートのみ。
しかしそれも指輪を付けてないと使えない仕様だ。
そして指輪は捕虜、囚人用の特別性で、外そうとしただけで内蔵しているゴーレムがしばいてくる。
ここまで徹底していることは知らない敵軍の指揮官も、自国の切り札の勇者の裏切りにあってしまえば勝機が無いことは分かるだろう。
ダメ押しでドラドラとヤキトリ、ヒューマンスライム部隊を敵軍正面に配置してみた。
さて、賢明な指揮官殿の下した選択は。
「ウォルテニア軍、全員投降しました!」
「均様より連絡、人質の救出成功!」
「属国の攻略も続々と完了していってます」
次々と各地のエスリメ軍の勝利を聞いて、司令室では歓声が上がった。
エスリメの完全勝利だ。
「どうしました?エスリメの勝利なのに一人だけ笑ってませんね」
「お前も笑ってないだろ孔明。やはり、人間の国相手だと張り合いがないと思ってな」
この程度戦力なら普通に迎え撃てば第二迷路後半あたりが限界だっただろう。
現代兵器スライムを出すまでもない。
「私は表に出さないだけで素直に喜んでますよ。でも雄亮さん、慢心はいけませんよ。今回は敵国の切り札をこちらに寝返らせたからあっさり勝ったんです。もしも勇者がウォルテニア軍と一緒に居れば、ダンジョン防衛に戦力を割かねばならなくなって属国の攻略も思うようには行かなかったでしょう」
……今回の場合は戦う前の準備の差がそのまま勝利に繋がったってことか。
「それにマスターソードや私の弟子が居る国があるのですから気を付けないといけません」
「……それもそうだな」
マスターソードと孔明の弟子たちはいろんな国で要職についている。
どちらの弟子にしても油断できる相手ではない。
孔明に言われて初めて俺は自分がかなり危ない思考をしていることに気づいた。
「すまんすまん。俺はちょっと驕ってたな。今は素直に勝利を喜ぼう」
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