第103話
「雄亮さん、聞いてますか?」
「え?何?」
「役職ですよ。どうするんですか?」
国という形を取るならば、大臣的な役職は必須だと分かった。
俺と孔明だけじゃ何でもかんでもはできないから、それぞれに担当を分けるべきだ。
だけど……。
「うちの主要メンバー、諸国漫遊中なんだが」
「副官付ければいいじゃないですか」
「ごもっとも。それじゃあ、国王俺、丞相孔明、他の任命は丞相頼むぜ!」
「怒りますよ」
財政ヴァイオレット、交通アキト、軍事マスターソード、法政ソラン、入国管理ゴ、教育ジョーカー、観光均、農業ソフィア、工業フィー、水産業ピクリナに決定した。
副官は適当に暇してるダンジョンマスターに任せる。
どうせ最終決定は孔明か俺がするんだ汚職しないやつだったら誰でもいい。
仮に汚職したとしても鑑定で分かるんだけどな。
「観光区画はどんな具合ですか?」
「アトラクションとか水族館とか、でかいのはできたけど他がなあ。草とか自分で全部モシャらせないといけないから時間かかるよ」
気にも留めないけど遊園地とかの道端の草ってちゃんと業者がやってたのかな?
だとしたらなんて言う職業だ?草屋?木屋?モシャらせ屋?
なんにしてもすべて完成させるまでは一、ニ週間かかる。その間遊べない。
最初は楽しいからいいけど、飽きると地獄なんだよ。
「それでは先に農業区画、水産業区画、工業区画を作ってください」
「鬼だね」
「なんの為の部下ですか。使いなさい」
観光区画は均に任せよう。他は俺がやる。
地球文化を知らないと作れないからな。そこから教育するのは面倒だし時間がかかる。
これコピーしたらオッケー、の段階までしておかないと他の奴に任せられない。
早く完成させて均と遊びたい。
「後は交通ですね。バス、タクシーだけだと将来的に詰まるので、電車、テレポートゲートの設置をお願いします」
「…………権限一部委託するから適任者にさせといて」
「了解です」
さてと、まずは農業区画か。
ぶっちゃけDPさえあれば何でも購入できるエスリメに生産施設なんて必要ない。
この農・工・水産業区画を持つ意味は、DPなんて目に見えないよく分からん物よりも分かりやすくエスリメの力を他国にアピールすることだ。と孔明が言っていた。
他は雇用の増大とかが目的らしい。ぶっちゃけ、この国働き口が少ないからな。
まだ人口二桁なのに。
てことでアメリカとかでやってるような円状の畑じゃなくて、ちゃんと人が動かないといけない畑を作る。
多少効率悪いほうが多く人を雇える。
何を植えるかは孔明が決めるから、畑を作って気候を設定するだけにしておこう。
熱帯と温帯の気候にして栄養たっぷりの土を設置する。
天候は暇なやつに操作してもらおう。
…………一面茶色。人がいないのに土地だけは増えていく。寂しいから森でも作っておくか。
早く移民連れてこいよ俺。
翌日
とは言ったけどもさ、子供ばかりじゃねえか!
老師から移民が来たと聞いて見に来たら数百人の子供がいたのだ。
「子供が持っていた手紙によると、海賊に捕まっていた捨て子達だそうですじゃ」
あっちはあっちで楽しそうなイベントがあったようだ。
てかこの人数の捨て子を捕まえてたってどんな規模の海賊で一体何をしようとしてたんだろう?
「気まぐれで学校区画も作っといてよかった。でも、教師がな……」
「ユースケ様!その役目我らにお任せください!」
後ろを見ていた奴らは金○先生のコスプレをしたマスターたち。
こいつら確かテレビ組だな。ドラマを見て影響されたか?
「お前ら初等教育できるのか?」
「はい!勉強したのでいけます!」
腐ってもダンジョンマスターなら少なくとも算数はできるだろう。
ニート本人たちがやる気があるのなら任せてみるか。
「それじゃあ一クラス40人な。一日5限で教科は相談して決めろ」
「はい!」
久しぶりに見かけたけど楽しそうで何よりだよ。
「皆さん聞こえますかぁ、ぁ人という字は……」
任せて大丈夫だろうか……。
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