第71話
「ところで同盟の方はどうなってるんだ?」
「28人が加盟希望よ。ランキングだと、100番台1人、200番台2人、400番台2人、600番台4人、700番台8人、800番台11人ね。7、800番台たちは勝馬に乗ろうとするような雑魚ばかりよ。他の同盟からも加入を拒否されていて、マスターとしての力あまり当てにはならないわ。まともな戦力になりそうなのは600番台以上の9人ね。100番台と200番台の3人はそこそこ昔からいるマスターだから知恵も回るわ」
ダンジョンマスター本人の強さは例外を除いてほとんど変わらない。
ただ、知略やダンジョンの規模はランキング通りだ。
凄さを大体で言うと、
もちろん俺みたいに一つのランキングだけ突出していても、他が足を引っ張って中堅に落ち着いてる奴もいるから、自分より総合順位が低いからと舐めてると足元を掬われる可能性もある。
まあ今回の低級たちはヴァイオレットによると、ランキング通りの実力らしいので一人一人会って実力を測る必要はない。
「それじゃあ7、800番台の申請は保留しといてくれ。理由は同盟が小さいうちから不安要素を抱えたくないから」
「逆上してバトルを挑んできたりしないかしら?」
「そんな短気なやつなら余計お断りだ。実力は無いがプライドだけは一人前なんてなんの役にも立たない」
有能な敵よりも無能な味方のほうが恐ろしいってのは誰の言葉だったかな?もっと同盟が大きくなれば入れてもいいけど今はまだ時期じゃない。
「他のマスターたちは俺のダンジョンで面接しよう」
コアちゃんの鑑定機能さえあれば俺に取り入ろうとする理由も分かるからな。
『マスター、ダンジョンバトルの申請がありました』
「相手は?」
『257位の同盟です。バトルは3日後だそうです』
3日後か。ヴァイオレットの時に作って使わなかった罠が残ってるし時間には余裕がある。
257位だと上位者か。気になるのは同盟のメンバーの人数だな。
物量ゴリ押しか、質で攻めてくるかで戦略と戦術が大きく変わってくる。
「ヴァイオレット、257位の同盟について知ってるか?」
「ええ。257位のマスターは同盟潰しって呼ばれてて、バトルに勝っては同盟を吸収して勢力を拡大していってるわ。恐らく私たちが今、同盟を大きくしようとしてるのを予想して」
「大きくなったところでパクリってわけか」
こちらがバトル申請に慌てて今同盟申し込みしてきたやつを受け入れた結果、連携がガタガタな状態にさせようって作戦だろう。
嫌いな作戦じゃないけど相手が悪かったな。
俺は今ヴァイオレットのお陰でモンスターの質も量も完璧だ。
単純な戦力差だけならダブルナンバーの上位とも互角だろう。
「275位以外のマスターの人数と順位はわかる?」
「32人でほとんどが4、500番台。それ以下はいないわ。5人300番台がいて本人含め200番台が2人いるわ」
思ってたより多いな。しかも最低でも500番台。
あちらも質と量に自信がありそうだ。
「丁度いいかもな。ヴァイオレット、うちに加盟希望のマスターに3日後、いや2日後に俺のダンジョンに来いと言ってくれ」
「加盟させるのね」
「いや、彼らには俺達の戦いを見てもらう。デモンストレーションだ」
俺がそう言うと、ヴァイオレットは不思議な顔をしたがすぐに不敵な笑みを浮かべた。
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