第67話
「あら?あなた名付けも知らなかったの?常識すぎて伝えて無かったわ」
ギルドから帰り、ヴァイオレットのダンジョンまで飛んで、ネームドモンスターについて聞いたら、こう返された。
どうやらマスターの中で知らなかったのは俺だけらしい。
「てゆーかそもそもダンジョンマスターの常識って誰から聞くんだ?」
「何言ってんのよ。コアに決まってるでしょう。父に作られたコアなら何でも知ってるわ」
あーそゆこと。先輩がコアちゃんに必要事項を教えてなかったってことか。
あの人が忘れるとは思えないし、わざとだなこれ。
ぼっちの君はマスターの友達を作って聞けって言ってそう。余計なお世話だ。
ヴァイオレットは俺からもらったDPで
元からSランクのモンスターばかりだからSS〜SSSランク集団になったってことか。
今戦えば間違いなく俺が負けるな。
「今日の用事はそれだけ?」
「いや、実はまだある」
俺が今日、冒険者ギルドで冒険者登録してきた事を告げると、ヴァイオレットはにんまりと笑った。
「なにそれ面白そう。あたしもなろうかしら。冒険者」
「とりあえずそれは置いといて、俺が聞きたいのは俺たちに友好的なダンジョンと、魔王の同盟のダンジョンがどのダンジョンかだ。ちょっかいかけて敵対されたくないからな」
冒険者として活動していて、うっかり味方や魔王に喧嘩売ってたじゃ笑い話にもならない。
特に魔王に今仕掛けられるのは嫌だ。余裕で死ぬ自信しかない。
せめて今訓練してるモンスターたちがLランクになるまでは戦いたくない。
「そういう事ね。地図持ってる?書き込んであげるわ」
今更だけどこの世界の地理について説明しよう。
まずこの世界は丸くない。星という概念じゃないんだ。
昔の地球観みたいに世界には端っこがあって、そこから落ちるとそのまま下の世界に落っこちてしまう。
世界は天界、人界、魔界の三層に分かれていて、俺達が居るのは人界だ。人界は主に人型の種族が暮らしている。
魔界はモンスターや落ちた奴の子孫、天界は神や天使の住んでる世界で魔界には落ちたら行けるかもしれないが、天界に行く手段は無い。
落ちると言ったが、もちろん何の準備もなしだと、重力に従ったまま地面と衝突でグシャリだ。
助かるのは風魔法とかが使える人たちだけ。
その人たちも着地ができるだけで人界には帰れない。
人一人の魔力で宇宙に行けますか?って話になる。さすがに無理。世界の何処かに魔界とのテレポートゲートがいくつかあるらしいが、そこも一般人が気軽に歩き回れるようなところではない。
だから俺のダンジョンは全て人界にある。
クレイスライムたちが穴を掘ってるからいつかは魔界まで行くかもしれないが、まだまだ先の話だ。
さて、人界には大きな大陸が5つある。
中央にある最も巨大な人族の大陸、北東にある種族にとらわれない商業国家の大陸、北西にあるのはエルフ等の妖精族の大陸、ヴァイオレットのダンジョンがある南西の魔族の大陸、南東にある獣人族の大陸だ。
〜の大陸と言ってるが、もちろん他の種族もいる。割合100:1くらいだけど。
昔は種族間で戦争してたらしいが、今は平和条約が結ばれていて一応種族間の戦いは無い。
某聖女のせいで時々緊張状態になるけどな。
そんな訳で、今戦争があるのは某神聖国のせいで人族の大陸のみだ。
============================
もしも少しでも面白いと思ったら、フォローやレビュー、応援をしていただけると、非常に励みになります。よろしくお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます