第66話

「あとこれは、テイムしたモンスターのネームプレートだ。これを付けてないと野生のモンスターとして攻撃されても文句は言えないから必ず付けろよ」


 ネームプレートか。そういえばコイツらに名前つけてなかったな。

 ヒューマンスライムにもおい、とかお前とか熟年夫婦かよって呼び方だし……帰ったら名前つけてやるか。


「えーっと、それじゃあお前はドラドラ」


 ベビードラゴンにドラドラと書いたネームプレートのチェーンを首に回す。


「グウゥ」


 くすぐったそうに鳴くドラドラはとても愛らしい。

 でも進化していったらどんどん厳つくなってくんだろうな。


「リーヴァ」


 リヴァイアちゃんの体にはチェーンをかけるところが無かったから背ビレに穴を開けてもらってそこにネームプレートを引っ掛けた。

 痛みはなさそう、スライムの形質を持っててよかった。


「……ヤキトリ」


 ……燃える鳥だからこれしか思い浮かばなかった。

 羽をバサバサさせて無邪気に喜んでるから余計罪の意識が……すまんヤキトリ。

 ゴーレムにはディアン、虎にはヴァイガと名付けてプレートを付けた。

 さて。


「ジェノルム、なんでコイツら強くなってんだ?」


 先程とは明らかにオーラが違う。

 流石におかしいだろう。見た目に変化が無いから五体の変化に俺とジェノルム以外は気づいてないのは不幸中の幸いだ。


「あー、そうだった。お前がダ……アレなの忘れてた。いいか?聞いた話だが、お前の職業は自分の配下に名前を付けることで強化することが出来るらしい。そうして強化されたモンスターを名ありネームドって呼ぶ。ネームドはかなり強くて戦うとしたら、最低でもSランク冒険者程度の実力が必要だ。しかもSランク冒険者集団で戦っても死人が出る」


 それはそれは厄介な。

 だけどそんなのがノーリスクでできるのか?

 俺は魔力版スマホを取り出して、コアちゃんに連絡を取った。


「コアちゃん。DP量どうなってる?」


「先程2500万DP減りました。何をやったのですか?」


「すこしな。帰ったら話す」


 モンスターに名付けると一匹につき500万DPか。普通のダンジョンマスターならば少々勇気のいる額だ。

 だけど俺には無用の勇気だ。ばかすか回してるガチャの方が高い。


 Sランクじゃないと立ち向かえないのは、雑魚に名付けなんてもったいなく、元々かなり強いモンスターを名付けして更に強化してるからだろう。


 その証拠にちっこい三匹からは正直、そこまでの力は感じられない。

 せいぜいランクが一つ上がったくらいだろう。

 ディアンの方はSS、ヴァイガはSくらいの強さはあると思うけどな。


「……そういえばダンジョンって入場するのにランク制限あったな。明日また来るからAランクにする準備しててくれ」  


「おう。Sからはギルド上層部での承認が必要だからしばらく時間が要るぞ」


 Sに上がる前提かよ。






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