第24話
モブダたちが帰って数週間が経った。
今俺のダンジョンは多くの冒険者で賑わっていた。
冒険者の数が多すぎて一層以外のスライムは即殺害され、全滅させられたら困るので一日百体までにして、他は横穴に避難させた。
今の所は怪我人は何人も出ているが死者はいない。
そして少し悲しい事実を発見した。
俺のダンジョンでの負傷した原因がスライムより、フロアそのものの方が多かったのだ。
草に引っかかってこけて骨折、水遊びして翌日風邪、炎フロアで脱水症状。
子供みたいな負傷の仕方だ。これを見て冒険者の質の低さとスライムの弱さにちょっと悲しくなった。
巨大迷路はまだ一割も攻略されていない。
ギルマスのおっさんが言ってたSランク冒険者が来るまでは安心できる。
そして今。
「クソッ、何だこのガキ。変な剣を!ぐはっ」
「アルド!こいつ、よくもぉ!」
俺はダンジョンの迷路内で二人の男女と戦っていた。
ダンジョンの中で男女……プフッ。
…………オホン。
なぜ戦っているかというと、俺がダンジョンマスターだとバレてしまった……訳じゃない。
この二人は所謂初心者狩りと言うやつだからだ。
このダンジョンはモンスターが弱く、危険性は低いため、比較的低ランクの冒険者のほうが多い。
しかも、迷路は入り組んでいて他の冒険者と出会う確率は低い。
そしたら当然こういった輩が出てくる。
この二人はDランク冒険者(実力はCランク)で、他のダンジョンで既に二桁以上の初心者冒険者を殺しているかなりヤバイカップルだ。
このダンジョンで大量に人が死んでしまうと危険だからコア潰しとくかってなってしまう。それは非常にまずい事態だ。
よってギルティ。
この二人はモデルみたいな容姿をしてるのに殺していいのかと、コアちゃんが言っていたが、どうやら故郷も遠く、友人もいない(カモはいる)ようなので遠慮はしない。
「はい。ポーションよ」
「ありがとうジェシカ。クソが、こいつ初心者じゃなかったのか。ダンジョンの入り口でボケーッと突っ立ってたから、てっきりそうだと思ったのに」
説明ありがとう。スライムたちで殺すにはここまでおびき寄せる必要があったから俺がその囮役を直々にやったという訳だ。
てことで。
「放て。ファイアーボール」
周辺の横穴に待機していたスライムたちに命令して一斉放火する。
「グァァ!」
「ギャー!」
二人は俺の持っていた伸縮自在のスライムソードに目がいっていたため防御すらできず、全身が焼けただれて…………モザイク案件になった。
これは見てはいけないものだ。
「美味しく焼けました!て訳にはいかないよなそりゃ。そもそも食わないんだけどな」
悪人だったからか、直接手を下さなかったからか分からないが俺はそこまで取り乱さず淡々と死んだ二人を見た。
元々俺が人の生死に頓着しないだけだったって可能性もあるが。
後処理どうしよう。
「ん?これをスライムに食わせたらどうなるんだ?」
早速俺は二匹のスライムに、二人の死体を捕食させた。
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