第10話
自然に話しかけられたから、つい普通に返事をしてしまったがここに俺とコアちゃん以外居るわけがない。
そのことに気づいてから慌てて後ろを見ると、俺と同じくらいの年に見える少年が立っていた。
イケメン度で言うならば中の上から上の下、まあモテそうだ。
「誰?」
見当は付いてるが一応少年に問う。
「僕かい?僕は
やっぱりコアちゃんの製作者か。見た感じ普通の人なのになあ。
「てかその服うちの高校の制服だよな。何年?」
「2年」
先輩だった。
言われてみれば、こんな人いたような。
「あっ!いっつも周りに女侍らせてる先輩だ!」
「よしケンカか?表出ろ」
だっていっつも周りに最低一人は女の人いるじゃん。
学校で一、二を争う美少女が両方共この人のことが好きって噂も聞いたことがあるんだけど。
「オホン。それはともかく、ちょっと時間ができたから様子を見に来たよ……すごいね君。もうスライムを使いこなしてる」
結構放置してるけどな。
俺より縁先輩が作ったコアちゃんとスライムの性能がすごいと思う。
「いやいや、道具に進化とか、合成進化とか想定外だから。作った僕自身驚いてるよ」
「へえ、そもそも縁先輩はどうやってコアちゃんを作ったんですか?後異世界転移も。俺の記憶では元の世界にそんな技術なかったと思うんですけど」
「そりぁ、僕人間じゃないからね」
「はあ⁉」
「ま、それは置いといて」
結構な重大情報だと思うが、縁先輩は話を続ける。
「かいつまんで話すけど、僕たちは今とある敵と戦ってるんだ。それでもしかしたら全ての異世界を巻き込んだ全異世界大戦が起こる可能性が出てきたんだけど、如何せんこちらの頭数が足りない。そこで作ったのが」
「ダンジョンコア」
俺がそう続けると、縁先輩は眉を上げて少し笑った。
「その通り。スライムは様々な物、種に進化できるように作った。けど僕や仲間たちは暇な人が居ないから運用実験ができない。そこで白羽の矢が立ったのが君さ。と言っても一応僕もダンジョンを持ってるから今度勝負しようよ。うちのボスは強いよ」
「へ、へえ。ちなみにどんなスライムですか?」
「ああ違う違う。僕のボスは異世界から連れてきた魔王さ」
人間じゃないからか、スケールが違うな。ていうか、それ拉致では?異世界の魔王可哀想。
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