第2話 カワイイ女の子
「すみません、助けてください!」
外は大雨が降りしきっていた。透き通った白髪と黒いドレスが濡れ、二十代前半と思われる女性が立っていた。彼女の姿は、雨の中ではより一層孤独に見える。
「どうか、お願いします……」
彼女の声は弱々しく、まるで消え入りそうなほどだった。私はすぐに彼女を家に案内し、暖炉に火をつけ、お湯を沸かし、タオルを渡した。
「どういたしまして。お風呂のお湯を用意しますね。男性用の服になりますがこの服に着替えてください、今日はとりあえず休んでください。」
彼女は最初は遠慮がちだったが、僕の心配を受け入れ、お風呂に入ることに同意した。僕はセクハラにならないよう気をつけつつ、彼女に身体を温めることを促した。
しばらくして、彼女がお風呂から出てきた。オーバーサイズのパーカーとジーパンを着ており、少し胸回りがきつそうで、太もももパンパンになっているが、無事着ることができたようで僕は安心した。下着に関しては用意できなかったが、それは仕方ない。
彼女は疲れているようで、少し不安定な足取りだった。今日は休んでもらおう。私は彼女を寝室に案内し、ベットで休ませた。そして、リビングのソファーで眠りについた。
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目を覚ますと、いつもより2時間遅い午前9時だった。ソファーで寝たせいか、腰に痛みを感じる。朝食の準備を始める前に、彼女にアレルギーなどがないか聞かないといけない。
寝室に行くと昨日と同じ彼女がいた、昨日はいろいろ急いであまり気づかなかったがこの娘…かなりの美少女だな。
顔は目は大きく小さい鼻、血色のいい肌に唇、華奢の体に程よく育った胸、太もももちゃんと育って全体的に健康的な体の少女、大体18から20ぐらいの年齢だろうか。
こんな娘がドレスを着て家に押しかけてくる、人によっては襲われてしまうだろう。
そんな少し下衆なことを考えていると彼女は目を覚ましてしまう。
「………起こしちゃったかな?」
すると慌てたように
「いえいえ、泊まらせてくださりありがとうございます」
と言った。
彼女は元気そうに見える。
「朝食を食べながら話しましょう。アレルギーはありますか?」と私が尋ねると、彼女は「いえ、大丈夫です」と返答した。私は安心した。
キッチンの前のテーブルに朝食を乗せ、彼女の分も用意する。
「……では、まずお名前は?」
「エ、エルメス・トルデ・メーテルと言います」
メーテル……どこかで聞いたことのある名字だ。
「じゃあ、エルメスさん出身は?」
「はい、ブリックスに住んでいました」
ブリックス……確か最近勢いを出している都市だったか。
「じゃあ……なんでここに?」
「そ…それは……」
いきなり質問に言葉を詰まらせる、何かあったのか。
「えっとー無理に答えなくて大丈夫ですよ」
「い、いえなんでもありません、すみません」
「わ、私は……
ドンドンドン/
その時、いきなり玄関のドアが重々しく叩かれた。
誰だろう、今日に予定があることなんて特になかったが。
ドンドンドン
もう一度さらに強い力で叩かれる。
「すみません、エルメスさんちょっと見てきますね」
そう言い、僕は不審に思いながらも玄関を開けると、そこには大柄で筋骨隆々の男性が立っていた。その隣には、彼と比べてはるかに細見の男性が立っていた。
「オイ、お前。俺様を無視するとは何事だ。」
目線を下にすると僕の腰ぐらいまでの男がいた、小柄な男性もうなずいている。僕は少し戸惑いながらも、
「僕はここに住んでいる者です。どのようなご用件でしょうか。」
丁寧に対応したつもりだ。
男は私を一瞬見つめた後、軽く肩をすくめて言った。
「へぇ、そうなのか。ちょっと用事があって来たんだ。中に入るぞ」
三人は強引に家の中に入ってくる、これから先がどうなるのか、僕には予想もつかなかった。
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