第5話 謎の少女?ヘレン
僕はとぼけたように会話を始めようとする少女?ヘレンに会話を進めようとする。
彼女は僕に対して少しイラッとしたような素振りをした後に深呼吸をして言った。
「あのねカイトくん、あなたの
「あなたは僕の事は全てわかっているのではないですか?」
ヘレンの問いにそう返す、そうだ彼女は全部知っているのだ、彼女の能力は生命の意思の伝達の干渉、その能力によって彼女はどんな生物を通してでも彼女の目で僕ぐらいにも何が起こっているかはわかっているだろう。
彼女は図星のようなわざとらしい反応をして。
「あのエルメスって娘のことよね、あの子の事はよく知っているわ」
「なら早く返してく「でも、どうしてあなたが関わる必要があるのかしら」
彼女はあたかも当然のだと言うように言う。
「そんな事はあなたじゃなくても連邦保安にでも預けたらいいじゃない、あと私に敬語はやめてちょうだい、まるで私が嫌われたと思っちゃうじゃない」
彼女の可愛らしい要求はスルーするとして国際保安…あまり考えてなかった、確かにこう言う事はそうゆう専門家に任せた方がいいということ、彼らは今のこの平和な世の中を守るために働いている…だが。
「ないな、彼らに借りを作ると僕だけではなく彼女にもよくないだろう、あいつらには関わるのだけはなしだ」
「そうね、それは私も同感よ、ならあなたはどうするの?」
できることなら色々ある、エルメスを連れて村から逃げることだってあるだろうがそれをするとお世話になっている村にどんな被害が出るかわからない、そうなるなら僕の手でこの問題を解決する方がいいだろう、そうヘレンに伝えると。
「なら、あなたは私に借りを返すことをしないといけないわね」
「と言うと?」
「あなたの
ヘレンはわざたらしくため息をつくととても疲れたと言うことをアピールしてくる、それにあれにそんな価値があるなんて事は初耳だが、僕はそれでもやる事は変わらない、僕はできることをやるだけだ。
「いいだろう、君にいつか借りを返すことを約束しよう」
「あら、案外すぐに折れないのね、まったくよっぽどあの娘に惚れ込んだようね、でもあなたのことを好きに使えるチケットをもらえるなんてとっても良いことじゃない?」
ヘレンはすごく興奮しながらどんどん次から次に僕にやらせたい事を口から出してくる、それは僕に執事をしてほしいや、面倒な事柄の仲介役をしてほしいなど、本当になんでもさせそうにするそれを僕は聞き流しながら一つ大事なことを思いつく。
「だがエルメスに危害を加えるようなことはしない、それを約束してくれ、じゃないとおまえとは絶交させてもらう」
「あら、私に対してそんなこと言っていいのかしら、私との縁を切ってあなたが2カ月も生きられる気がしないのだけど?」
ヘレンは僕の「絶交」という言葉に対して急に圧をかけてくる、だが僕には今は時間がない相がいつ行動しだすかわからない、だからその圧に負けないように堂々とした態度で示す、すると彼女は突然吹き出した。
「アハハハハハハ」
腹を抱えて笑うヘレンは何がおかしいかわからない僕に対してさらに笑い声が盛り上がる、それに僕は彼女に表現のしようのない嫌悪感を感じる、彼女が深呼吸をして気持ちを置きつける。
「いいわねその顔、まるでアイツに似ている」
「あいつとは?」
「あなたには関係ないわ、それで?本当に何でも引き受けるのね?」
ここまで聞いてくるということは相当彼女は僕に何かをさせたいらしい、しかし僕には奴らに真正面から戦う手段がない、どのみち死期が変わるだけだろう。
「あぁ、二言はない」
「いいわ、20年前に比べてそれほど臆病者にはなってないようね、認めてあげようじゃない」
「あなたの
すると、彼女はピンク色に光るおもちゃの銃みたいなものをその小さな手に出す、それを僕にむけて
「それでは便利屋さん、いい結果を期待してるわ」
銃から出たピンク色の光線が僕の頭を貫いた。
気がつくとそこはもともといた豪華な部屋で豪華な椅子に座っていた。
「ニャー」
僕の膝の上にはさっきもいたネコが座っている、そして目の前にある机には白い手袋が一双あった、僕は膝上のネコを優しく降ろすと手袋を手に取る、ナイロンの手触りに懐かしさを感じながら丁寧にゆっくり手にはめる。
「(まったく、彼女の僕への謎の執着心にはいつも困らせられる)」
≪対人武装心理学兵器
本当に、本当に懐かしい感覚だ。
≪ユーザー名 ヒイラギ・カイト
僕の能力、20年前に使っていた嫌というほど聞いていた名前。
「
≪
辺りに黒い煙が爆発したように放出される、そこから黒スーツに赤いネクタイが目立つ格好でカイトが出てくる。
「久しぶり、内なる僕よ」
手袋に囁くように言う。
「あの時に辞めたはずだったが君の力がまた必要になった、またよろしく」
この行動に意味はない、しかしいつもルインがやっていたことだ。
「フッ」
自然と笑みがこぼれてしまった。
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