第4話 三日月印のカフェ
街にやってきた、家の周りよりは活気があふれていると思いながら人の少ない道を通る、身の前についたのは少しさびれたカフェだった。
「ここに来たかったの?」
「はい、ここのプリンおいしいんですよ」
僕は取り合えずカフェの中に入る、カフェの中はレトロな雰囲気を醸し出した様子だった、しかしいつものことだがひとはあまりいない様子だった。
僕はカウンタの奥にいる年老いたマスターに声をかけた。
「マスター、プリン2個をよろしく」
「これはこれは、ヒイラギ・カイト様、お久しぶりのご来店誠にありがとうございます」
「あとマスター、預けていたものを返してほしい」
その言葉を言うと少し空気が冷えたのを感じた、マスターは僕の目をじっと見つめる。
「本当にいいのですかな?あれを手元に置いておくとあなたは再度簡単に平穏な日々に戻れませんぞ」
エルメスに聞こえないように僕の耳元で小さな声で
マスターの目から鋭い光が発せられているかのようにに感じる。
「僕は大丈夫です、今回のことが終わればまたすぐに戻しに来ますよ」
「そこまででいうのであれば」
マスターはカウンターの下から鍵を出し、僕に手渡した、僕はそのままカウンターの奥に入っていく。
「エルメスさんはここでちょっと待っててください、ここのおすすめプリンですよ。」
エルメスにはマスターと一緒に待ってもらう。
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カイトはエルメスをカフェのマスターに預けるとカウンターの奥にある扉の鍵を開けその中に入った、中には永遠に続くような長さの階段があることに気づく。
3分ほど階段を歩いていると金庫のように頑丈な作りになっている扉が見えた、その扉に驚いていると勝手に内側から開く、その中には赤と金で装飾されたかなり豪華な家具が配置された部屋だ。
「お邪魔しまーす、預けていた僕のを
僕は要件を包み隠さずに言う、時間ができればここには長くいたくないのだ、あいつのことは余り得意ではないのだ。
「ニャー」
目の前に置いてあるこれまた豪華な椅子から猫の鳴き声が聞こえた。
「またかよ…」
僕は呆れながら猫の目を見る、その次の瞬間に猫の目から桃色の光が溢れ出す、少し後悔して目を離そうとするがもう体は言うことは聞かない、その光が部屋中を満たすとあたりは白い塩湖のような空間にポツンと椅子が置いてある空間だった、その椅子には金髪が特徴的の美少女が座っていた。
「ごきげんようカイト、今日はどんなご用件で?」
「こんにちはヘレン、ボケないでくださいよ、さっきのことちゃんと聞こえていたのはわかっているんですから」
「いえ、あなたにはもっと偉大な肩書がありましたね、ヘレン元特別総司令」
僕のこの言葉に彼女は笑っていたが、僕を見る目線は冷たいものだった。
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