第6話

「しゅうまくん、うちの息子を助けてくれてありがとう。改めて状況を説明してくれる?」

当時6年生だった周磨だが、彼の印象は今でも貴子の脳裏に鮮明に焼き付いていた。


「貴子先生のお子様だったんですね。僕が朝のトレーニング中にあの道を通りかかったら偶々あの道を通りかかったら、元希くんが血を流して倒れていまして…通りかかったときにはすでに倒れていたので詳しいことは僕も把握しきれてないところもあるんですけど…」

「トレーニング?」


「あ、はい。さっき先生が来るまでの間に救急に電話をしましたのでまもなく救急車が到着するかと」


「しゅうまくんありがとう」



4年前、周磨が高校2年生の時に小学校時代の同窓会があった。当時の担任である貴子も会に招待され、僕は出席したが貴子は欠席に〇をつけ同窓会の招待状を送っていたのだった。秦泉寺家がご近所さんということも知らなかった周磨は、こんな形にはなってしまった久しぶりの再会に驚いたことだろう。



「いえいえ、先生のお子様でびっくりしました。実は僕、まだプロではないんですが高校卒業後に社会人チームに加入していまして…」


「サッカー?」

「はい」


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