第4話
母親の
家のインターホンが鳴った時、貴子は昨日の夕飯で食べきれなかった残り物を今日も食べられるように調理している最中だった。
「ピンポーン」
「あら、こんな朝早くに誰かしら」
ドアを開けると、そこには目に涙を浮かべた日菜が立っていた。
貴子はドアを開けた瞬間は少し驚いた様子をみせたがすぐに切り替え
「日菜ちゃんどうしたの?」
「げんき、、、げんきくんが、、、」
涙がなかなか止まらない日菜だったが
「日菜ちゃんちょっと深呼吸してみて。落ち着いて説明できるかな?」
元希が生まれるまでは地元の小学校で教員をしていた貴子。日菜と同じ6年生の担任を受け持ったこともあった。
「元希は今一緒にいないけど、外にいるの?」
「うん」
日菜はこくりと小さく頷いた。
「じゃあ日菜ちゃん、ちょっとそこまで連れて行ってもらえるかな?」
「うん」
貴子は急いで台所に戻り煮詰めていた具材の火を止め、日菜と一緒に外に飛び出していったのだった。
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