第2話
今2人はもうかなり学校寄りに来ていて、ここから家のある方向に戻るのは時間がかかりそう。
それでも戻ると決めた日菜は、体調の悪そうな元希の手をしっかり握って今来た道を帰ることにした。
歩くこと15分、家まではあと100mほどになった。
しかし、まもなく家に着いてお母さんに会えるというところで体調が限界に近づいてきていた元希。
【これはもうちょっと頑張っていち早く家にいるお母さんに元希くんを届けてあげよう】
そう日菜が心に強く決めた瞬間、元希が左右にフラフラし始めた。おぼつかない足取りになって真っ直ぐ歩けなくなっていた。そして、ふらつきが大きくなった瞬間に私はしっかり握っていたはずの元希くんの手を思わず離してしまった。
その瞬間、元希は歩いていたアスファルトの道路にバタンと倒れ、頭を硬いアスファルトで強打したのだ。
一瞬の出来事だった。
「大丈夫、元希くん!」
日菜は必死に呼びかけたが、応答はなし。よく見たら頭から少しばかり出血もしていた。
最上級生とは言えどもまだ小学生の日菜は、この目の前で起きたショッキングな出来事に混乱を隠しきれず、すぐに目から涙が溢れ出していた。
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