第16話 作戦会議
僕たちは戦力がないわけだ。どうしようか…
「決めた。僕の時計を使おう。それで、はるき君のお父さんが死んだ時までスリップすればいいんだ。」
我ながらいい案だ。これははるき君だって…
「いつ死ぬかわからないのにか?第1お前の話によると、仕事?は思った以上に過酷なものだし、実際、多分だけど死人も出てる。なんせそこに俺もいる。親父が死んだところで、まず俺らが生きてるかわかんないんだぞ?」
あ、そうか。はるき君は頭が回るね。やっぱり僕ははるき君には敵わないや。
「そこをお父さんに頼んでみたら?施設に入れないでほしいって」
「…そうだな、でもそんな事して意味あるのか?」
「どうして?」
「だってお前の時計ってさ、話がおかしいだろ?急に人が目の前から消えて部屋がキレイになったり、その…俺?の傷が消えたと同時に傷の事忘れてたり。そんなにうまくいくのか?」
「でもトキじいさんが好きな時間帯と時間軸に飛べるって言ってたよ」
「その時計まだ使えるのかよ?」
そう言われて僕は時計に目をやると、最初の時のものとは思えないほどに衰退していた。
「…これ、使えるかな?」
「俺に聞かれても」
「じゃあ帰ったらトキじいさんに聞いてくる!!」そう言って一段落ついあと、僕ははるき君と共にいろんなゲームをして過ごした。
ピコピコ…
「うわっ!!毒ついちゃった!!薬あったっけ…」
「そんな事してる間に…えい!!」
「あちょっと!!!!」
「アハハハ!俺の勝ちだ!!」
「もーうずるだよー」
はるき君はこのゲームに強い。僕は初めてだったから少しずつ慣れていこうと思ったらこれだ。僕もゲーム買ってもらおうかな…
僕ははるき君といる時間が一番好きだ。はるき君の笑顔が大好きだから。
「あれ?もうこんな時間?僕帰らなくちゃ」
「玄関先まで送ってくよ!」
「じゃあね!また遊ぼうね!」
「おう!じゃあな!」
大きく振られた手に対して、僕は小さく手を振って家に帰った。
「ただいま〜!」
家に帰ると、お母さんがキッチンで料理をしている。そろそろ夕食の時間だから食卓に向うと、またトキじいさんがいた。
「トキじいさん。今日お昼もいなかった?」
「飯食いに来た。」
「フフッそれしか言わないじゃん」
「あらゆうと?帰ってきてたの?ただいまぐらい言ってもらわないと…」
「言ったよ。料理してて気づかなかったんじゃない?」
「あらそう?まぁいいわ!さぁご飯よ」
そう言ってお母さんは食卓にご飯を並べていく。ちゃんとトキじいさんの分もある。
「いただきます。」
今日の晩御飯はマカロニグラタン。普通に美味しい。
僕はお母さんにコソコソ聞いてみた。
「お母さん。なんでトキじいさんは今日1日うちにいるの?」
「なんかゆうとの時計が気になるんだって」
そういえば僕も聞きたいことがあるんだった。
「ねぇトキじいさん。僕の時計、知らない間にだいぶ古くなっちゃったんだけど…」
「おぉ!そういえばわしも気になってたんじゃよ。で、なんだって?」
おじいちゃんだな。
「僕の時計が古くなっちゃったの」
「あぁ何だそんなことか。その時計はな、どうやら時間軸を動かすと、その規模に応じて時計が能力を失っていくようなんじゃ。」
「これ、もう動かないの?」
動かないのだとしたら作戦を考え直さなきゃいけないけど…
「いやわからん。多分この世界の時間軸での時の操作ならできると思うがな。でもあまり能力が残っているようには見えないし、できても最大10年くらいかのぅ?」
「そっか。ありがとう」
10年くらいか…僕が17歳?だな。でもこの10年の間になにができるだろうか?明日またはるき君の家に行って一緒に考えてみよう。
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