第14話 事実

はるき君は何をどこまで知っているのだろうか。


「まず初めに、戦争の発端だけど…大体わかるだろ?領地とか権力がどうとかって、そんな感じだ。次に、兵士は20歳以上の人達を強制的に集めて軍隊に送るんだって。男性はもちろん、力のある女性も一緒にして集めるらしい。」


「余った住民はどうなるの?」


「なにか武器になるものを作らされたり、軍の施設に行かされて、そこで仕事させられたりするんだって。それで…」


はるき君は少し黙って話し始めた。


「…その、お前が言ってた施設についてなんだけど、」


僕は緊張してきてしまった。これで真実を知れるのだ。


「まずは記憶についてだな。それに関しては多分長い間なれない生活の中ストレスが溜まって、必然的に忘れちまってたんだと思う。」


そうだったんだ。

でも僕が一番知りたいのは


「あの施設の目的はなんなの?」


「あの施設は…その…」


はるき君は一息ついて、


「あの施設は、5歳から20歳未満の人達を集めて……あの…」


どうしたのかと思いはるき君を見ると、はるき君は涙を流して泣いていた。

僕はどうしたらいいかわからなかった。はるき君はどうしたのだろうか。


「えと、はるき君、」


喋っている途中ではるき君は抱きついてきた。


「…ごめん、俺っ、でも、」


僕は混乱していたため、抱きついてきたはるき君をそのままに、ただ呆然としながら、とりあえず抱き返した。


しばらくしてはるき君は泣き止んで、


「…ごめん。ちゃんと話すよ。」


そう言って僕を離した後、「落ち着くためにお茶を持ってくるから待ってて」と言って、僕を部屋に残して行ってしまった。


花瓶に生けてある花をじっと眺めていると、はるき君が戻って来る音がした。


「扉開けてくれる?」


僕は言われた通りにした。


「いやぁ助かった。どうしても両手が塞がってるとドアノブを下げらんないからさ!」


そう言ってはるき君はトレーに紅茶の入ったポットと、2人分のティーカップ、少しのお菓子を乗せて部屋に入ってきた。

トレーの物を机に並べ終えて、はるき君が話を続けた。


「それで、施設なんだけどさ、あの施設、軍人のストレス発散のために作られた、軍人用の娯楽施設なんだ」

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