第11話 友達

地図に書いてある場所にやってきた。

そこは家というより、小さい洋館と言ったほうがいいだろうか。

少しするどい屋根が2つある建物で、壁はレンガになっており、フチが白塗りされた窓がいくつかあった。

僕はその大きさに圧倒され、


「うわぁ…」


と声を漏らした。

周りは色々な花が咲いていて、見知らぬ大きい植物が生えており、とても整っていて手入れが行き届いているみたいだ。

僕はインターホンを押した。

そもそも僕は友達がどんな人か知らないし、名前も知らないのに、もし本人以外の人が出てきたらなんて対応しようか。友達らしき人が出てきてくれたら多分そこまで苦労しないだろうに。

ガチャ


「あ!ゆうとくんね!こんにちは。今呼んでくるからね」


家から出てきた女性は多分友達のお母さんだろう。なんか呼んできてくれるらしいから良かった。

僕はそのままペコリと頭を下げた。

ドドドド…

家の中からすごい足音がする。友達だろうか。どんな見た目でどんな感じの子なのか楽しみだ。


ドン! 


体に重い感覚が走る。僕はその重さに耐えきれず後ろに倒れ込んでしまう。

何が起きたんだ。体の状態を見ようと目を開けると、友達らしき人が僕に抱きついていた。


「ちょ、ちょっと、落ちついてよ、」


「あ!ごめんごめん!俺うっかりだよ!」


そう言って彼は僕を解放してくれた。

友達を見上げると、どこかで見たことがある感じがした。

後ろで束ねた髪ロング、ツリ目の青い瞳、なんか金持ちのお坊ちゃまが着てそうな感じの紺色の服、明るい性格。

髪が少し長いけどこの子…


「どうしたんだよ、俺のことそんなにジロジロ見て。もしかしてゴミでもついてたか?」


「いや、いや君、名前、」


僕は動揺しながらも名前を聞くことにした。


「お前ほんとに大丈夫かよ?俺ははるきだよ。つかはやく立てよ!ほら早く遊ぼうぜ!」


そう言って彼は僕の手を取って家の中に案内してくれた。

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