第9話 生活
僕はゆうと。元327番。
今日は商店街におつかいに来ている。
商店街には、傘を売ってるおじさんや、パンを売ってるお姉さん、おもちゃを売ってるちょっと怪しいおじさんとか、色々な人がいて、賑やかで楽しくなる。
日射しがちょうどよく、そよ風が気持ちいい。こんな日は野原に寝転んでお昼寝したくなる。
そんな事よりおつかいを済ませなければ。
「えっと…」
おつかいメモの物を確認する。
「お野菜とお肉だけか」
ここからだと肉屋のほうが近いけど、お母さんが、
「お肉は傷みやすいから、お野菜のあとに買うのよ」
って言ってたから、僕はまず野菜を売ってる夫婦の店に向かった。
「おばさん、こんにちは。」
「ゆうとくん、こんにちは。今日はおつかい?」
僕はコクリと頷いた。
「偉いわねぇ!何が欲しい?」
「えっと…大根1本とトマトを3個かな」
「毎度あり!全部でこれくらいだよ」
「そういえば、おじさんは?」
お金を渡しながら聞いてみた。
「あの人は今奥で野菜の仕分けをしてるよ。呼ぶかい?」
僕は首を横に振った。
「そうかい。まぁまたおいで!」
そう言っておばさんは僕に手を降って見送った。
「次はお肉か…」
肉屋にいるおにいさんに話しかける。このおにいさんは愛想があまり良くないから、僕はあまり得意じゃない。
「えっと、豚バラ肉300gと、鶏もも肉もほしい…です…」
「ん。」
「え」
「ほら。」
そう言っておにいさんはお肉と値段の書いた紙を渡してきた。
「あ、どうも…」
僕はお肉を受け取ったあと、お金だけ渡してそそくさと帰った。
家にかえるとお母さんと修理屋のトキじぃさんがリビングにある食卓で待っていた。
「おかえりゆうと。お昼ご飯できてるわよ」
僕は何故かいるトキじぃさんに警戒しつつも椅子に座った。
「今、ご飯持ってくるからね!」
そう言ってお母さんはキッチンに向かってしまった。
ほんの少しの沈黙が続いたあと、
「トキじぃさんは、何でいるの?」
僕は聞いてみた。すると、
「暇じゃったから、飯食いにきた。」
うちはレストランじゃないんだけどな、と思いつつも「そうなんだ」と頷いた。
「ほらほら食べるわよ!」
そう言ってお母さんがお昼ご飯を運んできた。
色とりどりのサラダと、トマトやレタス、ハムなどが入ったサンドイッチを持ってきた。
「いただきます」
僕たちはお昼ご飯を食べながら食卓を囲んだ。
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