第7話 僕の時計
「さてどうしようか」
こんなに部屋が綺麗じゃ仕事終わりとは思われない。かと言って男達がそもそもいなかった事にしたらバレるか…
…!そうだ男達!
僕はベッドから立ち上がって部屋を見渡したけど男達はいなかった。
おかしい。しかもなんだあの感覚。僕はベッドから立ち上がったときの、あの視界がぐわんとなる感覚に違和感を覚えた。貧血だろうか?
そんな事を考えていると
「お前、何やってるんだ?」
施設官が入ってきた。
「待って話を聞いて僕は…」
「なんでもいいけど、今はこの部屋に要はないはずだが?」
僕は困惑した。
「あの、僕、327番です。仕事に呼ばれて。さっき男3人がここにきませんでしたか?」
「来てねぇよ。呼んでもねぇしな。つかさっさと部屋戻れよ。意味わかんねぇ。これだからガキは…」
どういうことだ?何が起きてる?まぁいいや。なんかラッキー!
施設官はブツブツ何か言っていたが僕はとりあえず言われた通り部屋に戻ることにした。
部屋に戻ると包帯で手当された友達が座っていた。
「よ!ニーナ君!」
「ケガは大丈夫なの?痛む?」
「全然!バッチリ元気!」
よかった。彼の笑顔を見ると安心する。
「てか、なんだよそれ」
友達は僕の時計を指差す。
「僕もわからないんだよ。でも1つわかることは、この時計がある時から、僕の思いどおりに物事が進むんだ。」
「どういうことだよ」
僕は友達に説明してやった。
「なるほどなぁ。てことは俺のキズもお前が願ったら治せるのか?」
「やってみるか!」
僕は友達のキズが治るように願った。また視界がぐわんと揺れる。頭が痛む。
目を開けるとそこにはキズ1つない綺麗な状態の友達が座っていた。
「やったね!成功だよ!」
僕は友達の手を取り喜んだ。が
「何いってんだ?お前。成功ってなんのことだよ」
え…
おかしい。なんでだ?
「いや、君ケガしてて、願って治そうって…」
「ケガ?願う?何いってんだお前。疲れてんならもう寝たほうがいいぜ。俺が隣で手握っててやるから」
友達はそう言って僕の手を取りニコッと笑った。僕は何が起こっているのかわからなかったが、友達の笑顔を見て安心したのか気付いたら寝てしまっていた。
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