第二ノ逆刀 対面者の一目/ダレカの気付き
俺は、この森からそう遠くないアンファンの街の冒険者って呼ばれる職の人間だ。
近年、森にて何やら大量の魔物、それに応じて現れる野生動物の変異種の軽い下調べに仲間とともに来ていた。
ただ、明らかに間違いだったのはそれなりに深く森に来てしまってから気付いた。
何時もならばポンポンポンポン出てくるアリ型の魔物や、鹿などの野生生物全てが音も無く消えていた。それ故、急いで帰ろうとしてたが出会ってしまったんだソレに。
遠い国に居るアルマジロ?と呼ばれる生物のような身体を持ちながら、足はそこらに居る昆虫のように、尻尾は毒持ちのサソリのようになった完全なまでの変異種。
逃げたは良かったものの、素早く直ぐに追いつかれた。交戦を試みるも硬く、剣どころか魔法さえも効かず、命を賭けて村から遠ざける事しかできないのを察してしまった。
心残りはあったが己の命より村の存続の方が重かったからこそ俺達は走れた。
ただまぁ、なんだ。
あそこまでの理不尽に遭遇するとは思ってもみなかった。
追われているというのに気さくに話しかけてきたためコイツは悪魔か何かとは思ったが、まさか斬ろうとするとは…。
これに関しては今、俺の間違いだったのが理解できた。いいや、理解させられてしまった。
眼の前にて俺達が微塵も歯が立たなかった相手を両断。それどころか認識さえできないほどに複数回斬っている。そんな相手だった。
もしも、もしもでしか無い。だがしかし、何かしらのへまをすれば次にああなってしまうのは俺達なのではないかと思い、心からの恐怖を感じてしまった。
そんな彼の幸運にして不幸な一日である。
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何処かの国の何処かの街。
気付けたのは少数ではあるが、全員が理解をした。
絶対的なまでの強者が現れた、と。
ダレカは武器を何時も以上に手入れし始めた。ダレカは何時もより何倍も辛い修行に明け暮れ始めた。ダレカは恐怖に身を固め気を失った。ダレカは好戦的な笑みを浮かべ相対を想った。ダレカは、ダレカは、ダレカは、ダレカは__________________。
そんな十人十色な人間性。だが、その先に見据えるのは皆が皆まだ世界が知らないだけな唯一無二の
世界はこれより揺れ動くかもしれぬ。しかし、感じ、分かった(一部を除く)強者は皆想う。
『見知らぬ強者よ!!』
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