第一ノ刀 降り立つ修羅羅羅
初めに感じたのは暖かさ。
文字通り白しかない空間では感じ得なかった感覚。そして心地良いと思える感傷。
世界の全てが目新しく映る故の感激。
私は確かに終われたのだ、あの修行という名の無限地獄に。……本当になぜアレを望んだのか…。
身体を見るついでにぐるりと辺りを見渡せば良く言えば見晴らしが良い、悪く言えば何も無い。そんな平原に私は立っている。
とりあえず服(確か袴?だったか)は着てるし刀も持っている。ついでに少量の瓢箪入りの水に何かの葉で包まれた握り飯を腰に付けていた。
来る前、というよりも死んでから一度たりとも飯だの水だのは摂取できてなかったゆえ、恐らく神からの好意だろう。
何も無いならと食事というものを感動しながら味わっていると空から泥棒がやってきた。
「ギャーグエッ!!!」
何の種類かわからないけどデカいし、はげ?さば?…なにか忘れたが鳥だ。
一直線にこちらへ向ってくるが頭の良い私は考えた「ご飯だけで感動するならアレを食べても感動するのでは?」と。
刀を握ってコンマいくらか、鳥のみを斬り捨てる
斬。
認識さえできているかは知らないがとりあえず終わった。
「クウヴェエ\
\エェェエエー!!」
一直線に来る鳥だが運悪く風が吹き、身体が両断された。少なくとも気付くことがなかったのならば痛みも無かったのだろう。……えーっと、確かこういう時は神が言ってた私の国の……
「南無阿弥陀仏。」
「ありがとう鳥君。君は私の血肉へと変えさせてもらう。安心したまえ、私は食事が随分と久々…故に君には感謝と祝福を捧げよう。」
食事を行わなかった故の生モノをしばらく食べてたが途中で思い出して焼いて食べた時の方が個人的には美味しかったことをここに追記する。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます