刀使いの修羅剣技
面々麺綿免
第0ノ刀 修羅へと至る
昔、誰かが言った。
「異世界モノは良いものだ」と。
昔、私は言った。
「刀ってすんげ〜かっけェ〜」と。
いくら昔か分からぬが、自分の身に起こってしまった異世界転生という状況。
当時憧れのあった私は神に祈った、祈ってしまった。
「望んだ武器を極めれるまで転生出来ない空間を下さい」私のことながらなんともまた馬鹿なことを祈ってしまった。
願いを聞き届けた神による武器と空間の分け与え、そして地獄のような日々の始まりであった。
浅はかな望み通り故に、発狂しようとも後悔しようとも腹も減らぬ死にもできぬ...故に刀を振る以外の選択肢が出来なくなる生活の始まりだった。
時折様子を見に来る神...とは言うものの私が完全に落ち着いた頃合い、おおよそ始めて60年程だったか。
まあ、見に来たついでに会話も行ってくれた為、発狂する日は段々と無くなっていった事も感謝しておこう。
問題点があるとすれば言葉を忘れ、一部の事柄は口に出ても表現出来なくなっている事だ。不味いと感じた神もそこら辺のサポートはある程度してくれて、神には本当に頭が上がらない。
で、何故このような回想をしているかといえば
【お疲れ様でした、神谷刀也。】
【貴方が望んだ極める。ソレに貴方は至りました。】
完全。
そう、完全に刀を振るえるようになったようだ。
「あぁ、そうかい。……これで終いかい。」
子供の頃の浅知恵、若いが故の無鉄砲。これがすべて報われた瞬間である。
【ええ、これにて貴方の試練は終了であり、異世界へと旅立つ第一歩となります。】
そう言い、神は手を翳して回る空間を生み出した。
【この先がおおよそ10億年ほど前に貴方が行きたがっていた異世界ですよ。】
空間を覗くと見える初めてと思えるほど久しく見る青空に草原。この先こそが私の新天地。
そう気持ちと身体が急かし足を一歩、また一歩踏み出して行き、空間の前で止まった。
「今まで、それこそ気が遠くなる程長い間お世話になりました…っ!!」
「…最後に何かあれば言ってください。」
急な言葉に弱いのか少しばかり悩んだ様子を見せる神であるが、直ぐに口を開いた。
【んー……あ。】
ニコニコ。そういう言葉が似合う顔になった神は私に告げる、
【ねえ、異世界へ行く前に刀を極めたってどんな感じか知りたくない?】
私は勿論こう答よう。
「はい!!」
そして、神が持ってきた黒い霧?のようなものを絶命させることができた為、私は異世界へと旅立った。
神が動揺のあまり言ってた言葉も聞こえず。
【やっば。これ一応最高神の私と同レベルの邪神なんだけど。え、ヤバ。極めるって言うより壊れるってのが正しくない?】
【いやまあ、世界壊そうって企んでたから別に良いんだけど。】
【……………………今度からこういう願いあっても叶えたら駄目だな。ニ人もいたら世界が終わる。てか詰む。】
【
【い、行くなら私に一声かけて殺さないように彼に頼もっかな…。】
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