第5話 拗ねさせちゃった…

現在、放課後です。

私はいつも通り荷物を鞄に詰めて帰れる準備万端!って時に友達の桂花けいか 小夜さよが話しかけてきた。


「椛〜!一緒に帰ろ?」

「あ、うん…いいけど」

「どうしたの?」

「いや、ちょっとね」


そういえば、千景が許さない気もするけど…ま、いっか…少しくらい友達と帰るのもいいと思うし……交友関係も大切にすべきだと思うし…いいよね?


そう思っていたのも束の間、遠くから千景が私のことを見ているのに気づいて、咄嗟に目を逸らしたけど、結構…嫌そうな顔でこっちみてたし…ダメなんだろうな……仕方ないか。


「あ、ごめん…小夜、用事思い出したから…また今度一緒に帰ろ?」

「急だね…まぁいいけど……またね椛」

「ん、またね」


そう言って荷物を持って私は教室の外に出たけど、もう一目瞭然で後をつけてきてて、話しかけてこないのが逆に怖いから…こっちから話しかけることにした。


「えっと、千景…なんで…そんなに怒ってるの?」

「椛の馬鹿…さっき一緒に帰る約束したじゃん」


あ、そうだった…忘れてた、流石にこれは私が悪かったし謝らないと。


「ごめん…千景」

「…ふん」


千景はそっぽ向いて無視してくるけど、一緒に帰りたいらしく…離れる様子はないし、なんなら手を繋いで帰る気満々だから怒ってるのになんか可愛い。


「千景、一緒に帰ろっか」

「…ふん」


相変わらず無視を続けるみたいだけど手は繋いでくれるらしく、差し出してきた手をとって歩き始めた。


拗ねてるっぽいけど、無視してても私のこと好きなのか手は繋ぎたいご様子…拗ねてる時って…どうしたらいいんだろ…よくわかんないな。


「ねぇ、千景…どうしたら機嫌直してくれる?」

「キスしてくれたら、少しは良くなるかもね」


要するにキスしてほしいってことね、まぁもうそろそろ馴れたし、いいけどさ…千景、拗ねてるせいかツンデレ出てきたせいかわかんないけど…たまに素直じゃなくなるんだよね。


「……しないの?」

「あぁ…するする」


人も特にいなさそうだし、早めにすませようかな。

千景の唇を奪って顔を見てみると朝は幸せそうだったけど今は拗ねてるせいか表情は頑張って変えないようにしてる感じだったけど、隠しきれてませんよ?


「少しは良くなった?」

「……少しだけ、良くなった」


無視はしなくなったけど、まだ…拗ねてる様子だしどうしたらいいものか。


「…どうしたら許してくれるの?」

「……家入れてくれたら許すかも」

「なにそれ……」

「入れてくれなきゃ許さないから」

「はいはい、入っていいから拗ねないで」


まだ拗ねてるけど、まぁ家入れたら許してくれるならいっか、ていうかなんでそんなに家入りたいんだろ…また変なことしないといいけど。

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