第3話 付き合ったばっかなのに
「えと……千景…さん……ど、どうなさいましたか?」
私の呼び掛けへの応答はなし…メール無視しただけでここまで怖いことある???
生まれて初めての経験だ…恋愛って難しいんだな…
私恋人なんて作ったことなかったし…世の中の女はメール少し無視しただけで…ここまで怖くなるのか……
「……椛…私のこときらい?返事くれないし…やっぱり私の事好きじゃないの?ねぇ……私なにかした?……謝るから…嫌いにならないで」
「あ……」
言葉に詰まった…返事しなかっただけでここまでなると思ってなかったし…泣いちゃってるし……ここまで来ると…さすがに罪悪感が湧いてくる。
「千景…嫌いじゃないから……好きだから…落ち着いて?」
「ほんとに……?」
「ほんとだよ……」
制服を着替えたばかりだったけど…千景の涙で制服は汚れてしまった…自業自得なんだけどね。
しばらく私の胸の辺りで泣いててて少し落ち着いた頃に涙を拭って私の方を見つめてきた。
「嫌い…じゃないなら……なんで返事してくれなかったの…」
「え、えと……おやすみモードのままで通知来てるのに気づかなかった…だけだよ……」
「ほんとに…それだけ?」
「うん…それだけそれだけ…」
本当は…怖くて返事しなかったとか…言えるわけない…余計に…泣いちゃうと思うし……泣かれると…少し困る…泣き止ませる方法とか…よくわかんないし……
「私のことは……好き?」
「好き…だよ」
「そっか……なら愛の証明として…キスして?」
「ふぁっ!????」
んんん???
き、キス!???まだ…早いんじゃないか???
昨日付き合ったばっかなのに?
びっくりして変な声出したし……流石にまだ無理…
「……まだキスは早いんじゃない…?ほら私たち付き合ってまだ…2日くらいしか経ってないし……」
「関係ないよ…愛があるならそれでいい……それとも…私のこと好きじゃない?」
「好き…好きだから……そんな顔しないで?」
「ならしてくれるよね?キス」
ぐぬぬ……思いきってもうするしかない。
ゆっくり顔を近づけると…目を閉じてキス待ちって感じの顔しててほんとに…キスする気なんだ…って感じる…ええい……もう!するよ!!!
唇を近づけて私は千景の唇を奪った。
キスをしたらさっきまでの泣きそうな顔が嘘かのように幸せそうな顔でキスされている。
「……椛…まだ足りない…もっとしてよ」
「やだよ……初めてだったし…今日はこのくらいで勘弁して…」
「ふーん……初めてなんだ…ならいっか…椛にしては…意外……でも嬉しい」
「意外って……私をなんだと思ってるの……」
「誰にでも愛情振りまく女…でも私だけのものだから……」
間違いじゃないけど…ちょっと言い方悪いな。
ほんとに千景私のこと大好きじゃん…付き合ったから…隠す気ゼロになったのか…正直ギャップすごいまぁ…それはそれでいっか……
「ほら…千景そろそろ学校行かないと遅れちゃうし…行くよ」
「手繋いでいこ?」
「はいはい……」
命日になることは回避出来たけど…ファーストキスは奪われたから…まぁプラマイゼロ?
別に千景とキスするのは嫌じゃないからむしろプラスだし…キスは悪くなかったし…いいや。
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