第23話 ロリコンの欲しがるもの

「さぁ、いよいよ最後は性奴隷です、今回はいつにもまして粒ぞろいでございます、まずは一人目……」

 性奴隷、全裸の女性が出て来てレオポルト様は目のやり場に困って下を向いてしまった、

 顔も身体も素晴らしい女性が真ん中に出て来て、奴隷商人達は活発にせり値を叫んでいるけど、彼女の胸には緑の球、農民の適正しかない子ね、見目が良いから最初は人気だけど伸び悩む子よ。


 その後も次から次に商品が出て来て、わたしは顔がアレだけど接客適正のある娘を数人競り落とした。


「ミーア、初物、9歳、性奴隷」

 ちょっと、自分の耳を疑ったわ、9歳の性奴隷は有り得ないでしょ、

「さて、皆さま性奴隷は大人ばかりではございません、なんでも王都の好事家の間では幼い娘を愛でるのが流行りだそうですよ、そんな皆さまの為に特別に出品されたのがこちらのミーアです」


 司会の男性のおヘソよりも少し背が高い程度の女の子、商人達はダンマリを決め込む、ちょうど好事家から依頼が来れば良いけど、売れなければ不良債権と化してしまう地雷物件だと分っている様ね、

 こちらの世界には慣れて来たつもりだったが、いたいけな幼女を全裸にして大人達の前に晒すと言う無法には憤りを通り越した感情が湧いて来る、

 これがある分別のつく歳の娘なら自分を高く買って欲しく、それなりのポーズをとるのだが、そんな事の理解出来ない幼女は泣きそうな顔で俯いているだけ。

 薄い胸に目を凝らして見たら胸元は紫の光、

“あら、珍しいわね研究職よ”

 突然レオポルト様が手を上げてあっさり競り落としてしまった。

 まったく普段はモジモジしているのにこう言う時は行動力があるのね、


「リフリー、初物、8歳、性奴隷」

 2人目の幼女は物おじしない性格なのだろうか、堂々とポーズを取っている、

 小さい子はそれだけで可愛く感じるのだけど、この子は自分をどうやってアピールすれば良いのか心得ている、そんな幼女だった、

 もちろんレオポルト様は迷わず手を挙げたわ、ロリコンが本領を発揮したわね。


 色物とも言うべき幼女奴隷の後は正統派の性奴隷で幕を下ろした今回のオークション、

 そこかしこで競り落とした商品の金を払い奴隷の首輪の主人替えが行われている、

 レオポルト商会はメイドを一人と双子の戦闘奴隷と性奴隷が4人、そして幼女が2人、まずまずの収穫だった。

「レオポルト様、こちらの2名の幼女は支払い済みです、主人替えをお願い致します」

「わかった、どちらからにしようかなぁ」

 普段は気だるげな返事しかしないのにロリ娘が手に入りウキウキした調子のレオポルト様。


「ずいぶん女奴隷を買いこんだようだな、レオポルト」

 歳の頃は50代、いかにも大店の主人と言う感じの男が威圧的にレオポルト様に話しかけて来た、

「父上!」

 これがご主人様の父親なの?雰囲気は全然違うわね、

「エステファニアから聞いたぞ、なかなか上玉の性奴隷を納めているそうだな」

「ありがとうございます」


「だが、奴隷は性奴隷だけではないぞ、一般奴隷や専門奴隷も勉強しておけ、そなたの歳は見聞を広める時期だ」

「わかりました」

 踵を返し離れようとしたレオポルト様の父上を呼びとめる、


「お待ちくださいませ、ルードルフ様」

「なんだ?」

 突然奴隷に声をかけられ当惑しつつもわたしを舐めるように見下ろす父上、

「失礼致しました、わたくしミヤビと申す者、ただいまレオポルト様のもとで禄を食んでおります、

 レオポルト様の御厳父で間違いありませんよね」

「そうだが、ミヤビか、そなた性奴隷の教育係か?」

「左様でございます」


「ふむ、エステファニアから優秀な教育係がいるとは聞いていたが、そなたの事か、して何用だ?」

「ルードルフ様におかれまして御子息に誤解がある様に見受けらましたので、一言申し上げたくお声かけした次第でございます」

「ほう、なんだ申してみよ」

「先程、性奴隷だけでなく、他の奴隷の勉強もしてみろと、仰られましたが、レオポルト様は戦闘奴隷も扱われております、先程のオークションでも戦士を買いあげ致し、先日は戦闘奴隷と共に迷宮に入りも致しました」


「ふんっ、どうせ女の奴隷ばかりであろう、戦闘奴隷とはもっと腕っ節が強い力強い男の奴隷の事を言うのだ」

 なんかムカつく、けどここは我慢ね、ソープにはもっと横柄なお客はいっぱいいたわ、

「左様でございますか、わたくしの様な弱輩にお教え頂きありがとうございました」




 ルードルフは迷った、この様な場面では女は“実力さえあれば関係ない”なんて吠えてくるのだが、わたしにしっかり頭を下げて来る、それでいて卑屈になっている様には見えない。

「ミヤビとやら、そなたなかなか面白いぞ、何か望みがあれば言ってみよ」

「よろしいのですか?」

「構わん」

「それでは、家庭教師の奴隷を融通してもらえないでしょうか?」

「ふむ、良いだろう、

 レオポルト、そなた良い奴隷を持ったな」

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