ロリコンおじさんと花火
「もうすぐですね。」
「花火とか久しぶりですよ、5年ぶりとかですね」
「しょっちゅう行かないですもんね。」
もうすぐ花火が始まる。周りには俺たち以外は全員カップルと言っても差し支えないほどに、男女グループで溢れかえっている。
「何だか周りカップルだらけですね。」
「ちょっと気まづいかも…」
「まぁ始まったら、気にならないと思うんですけどね!」
「そうですよね!」
そんな会話をしている間に花火が始まった。
一面に咲く花畑の上を、夜空に咲く花が彩る。こんな素敵なことは無い。思わず目を奪われる。花火を見ている間は本当に男女関係なく、夜空を眺めていた。誰一人としてよそ見をしていたなかった。
現代の花火は進化している、星型やハート型流行りのキャラクターなどの形を模した、花火が打ち上がる。
「今のって、ハートじゃないですか!?凄いですね!」
「あっ!本当だハート型になってます!」
そんな会話を挟みながら、夜空に打ち上がる花火を二人で見た。いい雰囲気とか、そんなのではなくただ単純に友達として、今日一日を満喫した。この花火を見ながらそう思った。
初めは下心満載で誘った、このデートも終わりに近づいて来ている。当初の予定では、ここでロマンティックな事をしようと考えていたが、もう辞めた。二人で楽しむ方向に切り替えた。
「いやー凄かったですね!迫力満点で!」
「楽しんで貰えて何よりです!」
「あんなに綺麗な花火見たの、自分初めてです!手持ち花火くらいしかやる機会がなかったので、凄かっただけじゃ表せない位の良さで!」
「分かります!言葉を失うというか、綺麗すぎてそれ以外の言葉が出ないというかって感じです!」
二人で語彙力を無くしながらも一生懸命喋った。駐車場に着くまでの間、ずっと花火の事ばかり喋っていた。
「帰りも運転してもらって、ありがとうございます」
「いえいえ、今日はありがとうごさいました!楽しかったです。」
「自分も楽しかったです!本当きっかけがないと出来ない体験とかいっぱいさせて貰えて。新鮮でした!」
「よかったです、俺も水族館新鮮でした!この機会がなかったら行くこととかなかったと思うんです。だからいい経験をさせてもらいました!…?」
疲れたのかミサキさんは、助手席で寝ているようだ。寝てくれるってことは俺の運転が快適ってことだし、心を許してくれてる証拠って事だろう。嬉しいな
そう思いながら車を走らせて、一日を終える。
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