ロリコンおじさんとすれ違い
今日は待ちに待ったデートの日、前日は緊張とワクワクでほぼ寝れなかったが、体調は万全エンジン快調でミサキさんを迎えに行く。その姿はまさに車に乗った主人公だと自分で思う、車内BGMもオシャレな雰囲気の曲にしたはいいものの、なんの曲かは一切分からない。
待ち合わせ10分前だ、出来る男は早く来るものだからとダメ押しで読んだサイトに書いてあった事を実行する。
するとミサキさんからメールが入った。
「車の色を教えて欲しいです。」
あ、忘れてた。このままだとミサキさんを外に放置する所だった。危ない危ない、事前に伝えるべきだった。
「黒です。伝え忘れててすみません。」
ドアをノックする音が聞こえた、窓を見るとそこには
屈強な男性が立っていた。
俺は顔が真っ青になった、駐車する場所が悪かったのかとか、ありとあらゆる良くないことをたくさん考えた。窓をもう一度見ると、首を傾げた男性が立っていた。俺は恐ろしくなって、このままやり過ごそうと考えた。
メールが入った
「今言われた車の前に居ると思うんですけど、人違いみたいで少し遅れます。」
俺は怯えてメールを返すことさえ出来なかった。早く去って欲しい、人の車をジロジロ見るなよ。
「駐車してる場所のナンバー教えますね、21番です。」
ここまで打てばきっといつものミサキさんが来てくれるはず。
ドアノックが聞こえた、今度こそミサキさんが立ってるそんなワクワクで振り向くと屈強な男性が立っていた。
またかよ、と思いながらも一応ミサキさんに連絡することにした。そうミサキさんも俺も男だからお互いがお互い混乱してる可能性が高い。意をけして電話する
「はいっ!今車の前にいます!けど中に男性が…」
「今日俺男の姿なんです…丁度車の前に男性がいるんですけど…」
「ごめんなさい!今日男の姿なんです!」
ということは、今目の前にいる男性がいつも見てるミサキさんなのか…
「あのっ、ミサキさんですか?」
「リコさんですか?」
まさかこんな事になるとは思わなかった。普段出かける時は男の格好だよな。デートだと思ったけど男二人旅だな。
「「ごめんなさい!」」
第一声が2人ともこれだった。まぁそんな日もあるだろう、今回はデートじゃなく素のままの2人で親睦を深める旅にすることにした。ロマンティックデートでは無くなったが、久しぶりに友情を育んでもいいじゃないか、大人になってからはこんな経験出来ないからな。
「じゃぁ気を取り直して水族館へ行きましょうか!」
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