ロリコンおじさんと強烈なお客様
全員が寒さと恥ずかしさに晒された、もうどうなってもいい。これ以上の試練は無い今俺たちは無敵だ。
「どの子がいいか、迷っちゃう〜筋肉系がやっぱいいよね。」
「わかる〜上から下まで筋肉ダルマって感じが最高よね〜」
よかった筋肉談義に花が咲いてる。俺はひと目でわかるもやしっ子、縁のない話だ。横にいるマッチョバニーが震えてる、可哀想に。
「あらっ!この子いいじゃない。可愛いし」
「えっ、ホントだ惹かれるものがある。」
俺は余裕綽々で、待機部屋に移動しようとした瞬間だった。
ポンッ
「リコちゃん、指名です。あの2人からです…」
夢だと思いたかった。さっきまで筋肉系がいいって言ってたじゃないか、話が違う!他のみんなはいつも通りの服にうさ耳を付けるだけのスタイルに戻ってるが、俺だけバニーのままだった。
バニーで捕まえた客は、バニーで接客するべし。と言うオーナーの言葉に逆らえるわけなく渋々向かう。
「はじめまして〜リコで…」
「いや〜んきゃわいい子じゃない!写真で見るよりずっといいじゃないの!」
「ホントよホント!写真写りって大事ね」
いきなりの弾丸トークに圧倒されっぱなしだった。
「で、リコちゃんって言うのね?私は足毛モサミよよろしくね」
「私は、脇田ジャングルよ」
すっごいセンス。一体どこからその名前や見た目にたどり着くのだろうか。
「私たちは、バーで働いたその帰りなのよ。普段はこんな感じじゃないのよ、もうちょい落ち着いた感じだから引かないでね。」
「質問なかったら、リコちゃんあーたに質問攻めするわよ。」
いきなりの質問コーナーだ、どうしようか。いっぱいあるぞ聞きたいことなんて。けど境界線が分かんないよ、デリケートな問題も多いだろうし聞きづらい。あまりにデリカシーに欠けた質問もダメだし、かと言ってつまんない事聞くわけにはいかないし。
「あのねっ、私らNGないのよ。変に気を使われるのホント大っ嫌い。いつもジジィの機嫌取りしかしてないんだから、今だけデリカシー捨てなさい。」
「接客業としてそれはちょっと…」
「いいのよ!じゃぁ私ジャングルから、行くわよ。リコちゃんの源氏名の由来ってあるの?」
よかった鉄板ネタが使える。
「ロリコンのリコです。」
安定の大爆笑、バカみたいな由来で助かる。自業自得だけど
「脇田ジャングルの由来は、そのまま脇毛がエグいから〜」
「私も、足毛ヤバいからって理由なの〜」
と暫し源氏名の話でひと盛り上がりした後、また質問コーナーが始まった。
「何使ったらこんなにしっろくなるのよ。白粉塗りたくってもこんなになんないわよ!」
「ホントよ!私なんて焼いた覚えがない場所までまっくろけよ」
「多分遺伝ですかね〜、みんな白い家族なんで。」
ここまでは、まだ楽しかったが真の地獄はここから始まる……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます