ロリコンおじさんと犯罪者

「チホちゃん、あの席指名だってさ〜」


「おっけー行ってきまーす」


今日もこの店はいつも通りだ。女装キャバ嬢とその客たちで大いに賑わってるはずだった…


「やけに外騒がしいですね、救急車の音も聞こえますし。」


「んーこの近所の治安なんて、お察しでしょ。どうせまた未成年が、やらかしたとかじゃないの?」


いつもはそんな感じだが、今日はなんだか嫌な予感がする。すると、慌ただしく警察っぽい人が店に入ってきた。


「早く!店のシャッター閉めてください!急いで!」


言われるがままに、シャッターを独断で閉める。普段はオーナーに許可を貰わないといけないが、なんだか緊急事態っぽかったので、みんなで慌てて閉めた。外で一体何が起こってるのか


「ヤバいよ!みんな!外で拳銃持ってる人がこの回りで、無差別に発砲してるらしい。」


「しかも適当に撃ってるんじゃなくて、人に向けたり店に向けたりしてるらしい。」


一気に緊張が走る。パニックになる店内、外で聞こえる発砲音。冗談かと思ってたのがまさか現実だなんて、どんどん近づいて大きくなって来る。神経が研ぎ澄まされシャッター越しの足音さえも聞こえる。


「お前ら何してんねん、仕事戻らんかい」


「オーナーこれです、今ヤバいんですって!」


「ンなもん知ったこっちゃない、シャッター開けるぞ。」


この人肝座りすぎだろとみんなが一斉にドン引きした。けどこの人が店で一番偉いから従うしかない。


この店にいる全員が死を覚悟した、終わりのシャッターが上がった。俺たちは怯えることしか出来ないと思っていた時、後ろから気配がした。


振り返るとそこにはガタイがいい男性が3人立ってた、筋肉で全てを解決出来る男たちだった。警察の人かと思ったがどうやら違う、下はピンヒールを履いてる所からこの店の従業員だ。


「お前ら準備は出来てるよな、あの拳銃バカを捕まえるぞ!」


「「「おう!」」」


とても音圧がすごい体育会系だった、けど拳銃と筋肉って普通に負けるだろ大丈夫かよと、一抹の不安を抱えている。


「みんな、犯人とっ捕まえたらオーナーが焼肉奢ってくれるって」


「総出で行ったら余裕よ!」


「3人が盾になるから、一斉に飛びかかってね。」


どうやらオーナーは早く捕まえたくて仕方ないらしい。そんな短気な性格で、可愛い亜紀ちゃん育てられるのかよ。


「リコちゃん、やるよ〜」


「面白そうだからチホもするよ」


そんな事言われたらやらざるを得なくなる、くっそー腹くくるしか無いのか!死なない保証なんて無いしな嫌だな


「よっしゃ、俺やる」


「お前ら!準備はええか!」


「ウオオアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーッッッッッッッッッッッッッッ!!」


「突撃じゃー!」


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