ロリコンおじさんと昼の世界

俺は家に帰る時はいつも朝だ、なので生活リズムが他の人よりおかしくなってる。もう若くないってのは分かってるんだけどな、この仕事以外でやって行ける自信ないしな。


毎日すれ違う人達を見ては自分は今なんでこんなことやってるんだと、思うことも何度もある。みんなが忙しく出勤する時間に俺は家に寝に帰ってるんだから。


今日も帰る時間は朝の6時で家に着く頃には7時になってる、その間にコンビニで食べ物を買ったりする。接客する人はみんな顔が疲れていて、憔悴しきってる。夜中の理不尽に毎日耐え抜いてる人たちなので親近感を覚える。


「あと、アイスコーヒーSお願いします。」


まだ酒が抜け切ってない体に眠気が来ないように、コーヒーを入れる、これを飲んで最後の力を振り絞り家に帰る。定員さんからは笑顔が消え、ひたすらレジを打つマシーンと化している。俺も仕事の後半はこんな感じなので、分かる。


「ありがとうごさいましたー」


あまりにか細い声で精神的に参ってるんだろうと、一発でわかるくらいにボロボロだった。早く幸せになって欲しい。


俺も終わりの太陽じゃなくて、始まりの太陽がよかったな。

そう思いながら、家に帰る。


ふと携帯を見ると、久しぶりに高校のグループが動いていた。

みんなで同窓会の計画を立ててるらしいが俺には縁のない話だ、昼の世界で生きてるみんなと、夜の世界で生きてる俺じゃ次元が違う。本当は行ってみたいが、自分に勇気がない。心の中でこの仕事に誇りを持ってると思っているが、世間からの目は自分が思ってる以上に厳しい事も分かってるから。


今度は太陽から始まる仕事に付けたらみんなに会いたい。


それまではあの店で愉快に過ごしてみようと思う。

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