ロリコンおじさんとギフテッドおじさん

「僕さ昔から記憶力が凄くて、日付とか曜日とか全部覚えてるんだよ。それが周りからは気味が悪いとか色々言われててさ、けど僕の中ではそれが普通だったんだよ!みんなに引かれても両親から怒られても!」


「けどこの年でそれ、分かってないのって結構…」


バシッ


俺はチホちゃんを止めた、俺も前まではバシッと言ってたと思うけど、今回はまだ話を聞いてみたいと思った。何でもかんでもハッキリ言って自分がスッキリする、今回はそんな雰囲気では無い。


「みんなの常識が、全員に当てはまってるわけないじゃないか。色んな人がいるそれだけでいいんじゃないかって、僕は思うんだけどね。みんなはすれ違ったは会ったに含まれてないんでしょ?けど僕の中でのすれ違ったは会ったに含まれてるし、みんなと同じ情報量だと思うんだけどね。」


「それが分かってるんだったらさ、もうちょい初対面の距離の詰め方勉強しよ?すれ違いはあなたにとっては立派な出会いだけど、私たちにとってはガチで知らない人だから。」


俺も昔は距離の詰め方が下っ手くそだったからか、このオッサンの気持ちがよく分かる。自分は知ってるけど向こうが知らないと言うのを考えてないから、怖いことになってる。


「じゃぁ僕はどうしたらいいんだよ、今更僕の中の常識を変えろってそんな難しいこと出来ないよ。」


「簡単じゃーん、リコちゃんとチホと一緒に新しい常識作ってこ?」


ナイスアシストチホちゃん、オッサンは共同作業に弱いからな実際俺もそうだし。


「チホちゃんと言う通り、常識を変えずともできる範囲で練習してみたらどうかな?ここだったら私たちもいるし、いいと思いますよー」


「じゃぁ僕ちょっとだけだけど、頑張ってみようかな?毎回2人が付き合ってくれるんだったらいいけど。」


「「ぜひ!!」」


「ドリンクもありますから、ゆっくり頑張って行きましょう!」


「チホいーっぱいおしゃべりしたいな〜」


そして俺たちに、毎週末コミュニケーションを習いに来るオッサン客が増えた。

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