ロリコンおじさんとキモおじさん

テルミさんから聞いた話、ほんとにドラマみたいで凄かったな。

俺もそんな経験したいな〜急に倒れた友達をスタイリッシュに、介抱してさ命の恩人だって言われんだよ。いいなぁ


「リコちゃん、ねぇちょっと!」


「あぁっ!びっくりしたぁ」


「指名だってさ、俺と一緒だけどね」


久しぶりだな指名が入るなんて、気合い入れて行くか。


「チホちゃん行くよ!」


と気合いを入れてきたんだけど、どうやら今日の客はどうもハズレ。俺が言えたことじゃないけど小汚い。その上セクハラもしてくる。


「リコチュぁん、久しぶりだね僕の事覚えてる?」


「えーどうだっけなぁ忘れたかもしれないー」


覚えてねぇよ多分初対面だよ。


「えーリコちゃんお客さんの顔覚えてないなんてひっどーい」


「だよねだよね、ほら良く僕の顔を見て思い出してごらん。」


マジで記憶にないって、こんな汚ねえやつ忘れないよ。えー


「んもう、僕が教えてあげるよ。ほらあの時すれ違ったでしょ。」


「ん?すれ違っただけ…」


「そうだよ、思い出してくれた?」


「まだちょっとわかんないかも、答え教えて欲しいな?」


「1月21日にさ、僕がこの店から帰る時にリコちゃん挨拶してくれたじゃん!ね!思い出したでしょ!?」


「…はい?」


それ廊下ですれ違っただけじゃねぇか!しかもいつの話してんだよ!1月ってめっちゃ前じゃないか!


「これ、すれ違っただけで覚えて貰ってるって思ってる、痛い客じゃないの?リコちゃんアイツヤバいよ」


「だよね、下手したらお陀仏かもしれない。」


「2人で思い出し中かな?こしょこしょ話僕も入れて欲しいな〜」


入れるわけないだろ、過去最大にヤバい客だ。アイドルのファンでしかいないと思ってたけど、現実でもいるんだドン引き。


「「え〜ちょっと待って〜」」


「僕さ記憶力にさ自信あるんだ、だから色んな子を見てさいっぱい覚えてるの。だからさリコちゃん可愛いなって思っててさ。」


「ありがとー嬉しいー」


「流行りのギフテッドってやつかな、チホちゃん知ってる?」


「めっちゃ頭いい人でしょ、多分あの人もそうだよ。」


もしかしたら悲しい過去の持ち主かもしれない、そう思って2人で話を一応聞いてみることにした。


「記憶力凄いんだったらさ〜数字とか覚えるやつ出来るんじゃないの〜」


「チホちゃん僕を舐めないで欲しいな、そんなの余裕だよ。3桁くらいいけるよ。やってみてよ」


「え〜じゃぁ試しに、出してみるね〜」


数字がズラっと羅列した、見るだけで頭が痛くなるサイトを見つけたので、それを見せた。


「「どうぞ〜」」


するとおじさんは、3分も経たない間にもう覚えたと言ってサイトを閉じた。


「じゃぁ答えを書いていくね、」


俺たちが準備した紙に、無限に数字が書かれていく。一見すると適当にしているように見えるが、なんと数字は1問も間違えることなく、正解だった。


「ぜっ、全問正解…です。」


「引いたよね、僕さ昔からそうだったんだよ。」


そう言っておじさんは自分の過去を語り始めた。

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