ロリコンおじさん指導する

「お疲れ様です」


「リコちゃんおつ〜、新しい後輩の子どうなのよ。」


「中々の曲者って感じですね。」


「なるほどねー」


前までは指導される立場だったのに、指導する方に回っているそれが案外しんどい。


「アドバイスとかないですか?」


「えー、自由にやらせるとかかな?」


自由すぎる事に悩んでたりするんだけどな、まぁテルミさんが言うなら間違いないだろう。


「自由って言っても限度はやっぱりあるからね、そこはちゃんと言っておくんだよ。前ね自由過ぎてクビになって、逮捕された人いたから。」


中々の衝撃発言。そんな人が過去にいたのか、もしかしてチホちゃん問題児じゃなかったりするのか!?


「逮捕って何やらかしたんですか!?」


「店で酔っ払って、客に失礼な態度取りまくって備品とか壊した挙句、暴力沙汰だよ。元々気性の荒い先輩だったんだけどね。ここに来た理由も暴行系だったらしいし。」


「大きい声で言えないんだけど、この店やらかしたらクビ&警察送りにされるんだって。ここ犯罪者予備軍の巣窟でしょ。だかららしいよ。」


背筋が凍った、一発のやらかし一生檻の可能性があるなんて。これは俺も気をつけないといけないし、チホちゃんにも言わないといけない。


「過去そんな人がいたんですか、俺も気をつけないといけないですね。」


「まぁまぁ、そんな気負う事は無いよ。みんなそこまでピリピリはしてないし、あの子自由にさせておいてもその内上手くやれるよ。」


「そんなものなんですかね?」


自分の時は、気づいたら周りと馴染んでいたし、No.1の家にも行かせてもらった。けど全員がそうとは限らないと思ってた。


「そうみんな共通点"犯罪者予備軍"他の店ではありえないけど、ここだったら、馴染めるとか長い間続けてる子とかも、多いんだって。やっぱり同じ共通点があるって、ある種一体感を産むんだろうね」


それだ、この共通点のお陰で俺は長く働けているんだ。じゃぁチホちゃんも、きっと大丈夫なはず。


「じゃぁ大丈夫かもしれないですね、最近心を開いてくれた気がしてるし。」


「いいね〜その調子だよ。生意気な子とか、言うこと聞かない子とかを、従えた時の快感は半端ないよ。恐怖じゃなくて、人望で魅せるそれが一番カッコイイからね。リコちゃん頑張って!」


「頑張ります。」

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