ロリコンおじさんと問題児

「あのね、大人しくしてよ。こんな事言いたくないけどさ」


「はぁ?なんで俺がこんなおばさんに、教わらないといけない訳?だるッ」


腹立つー最近の若者は生意気すぎる、いっちよ暴力で分からせた方がいいぞ。


「このやろ」


俺が手を振りあげた瞬間


「やめなさい」


どこからか声が聞こえた、この声はマミさんだ。


「貴方新しく入った人よね。接客をする者として、その態度は最悪よ。」


「んだよ、誰だよあんた」


「私はマミ、よろしくね」


すげぇ、あんな生意気なやつにも動じないなんて、流石だ。器が違う


「そしてこの子は、リコちゃん。貴方の教育係になった子よ、挨拶なさい」


「チッ ども」


「中々態度が悪いわね、その根性いつまで続くかしら今から楽しみね。」


そう言い残して、マミさんは去っていった。


「まぁ、仲良くしよう」


こっちがフレンドリーに話しかけても、無視する。頭に来る


「俺警察行きたくないんですけど、どうしたらいいんだよ」


「だったら、この店でちゃんと働いて、私の話とか周りの人の言うことを聞いて。」


「わかったよ」


態度は治りそうに無いが、ようやくスタートラインに立てた気がした。


「じゃぁまずは、化粧から。あっ逃げるなよ」


今回はほぼされるがままだった、ある程度化粧の技術を身につけた俺には、とてもやりがいがある顔だ。自分がかけた魔法がみるみる思い通りになる、そんな仕上がりだった。


「ほい、鏡」


「うおっ、えっ」


わかるぞ、最初は動揺するよな自分の可愛さに。特に君はベビーフェイスだから、相当可愛く仕上がったからな…


「ダサっ!時代遅れすぎメイク丸出しじゃん!」


はっ、はぁあああ?!


「俺の化粧がじっ、時代遅れ!?そんなはずないだろ。って言うか、あんた自分で化粧した経験あるのか!?」


信じられない、俺の渾身をダサいの一言で片付けよった。許せん


「あるに決まってるじゃん、最近は男もメイクする時代だからね。あーあーこんなんだったら自分でした方が何倍もマシだ。ねぇ、メイク落とし取ってー」


コーイーツー ならばいい、全部自分でやらせるさ、俺の手伝いなんてなくてもこいつはどうにかなるさ。ふんだ


「出来たら、呼んでね」


なんだよ時代遅れって、そんなに言わなくてもいいだろ。第一俺を構成してるのは、全て平成だから多少遅れる事だってあるだろ。最近は流行りの回りが速すぎるんだよ、絶対それの影響だって。1ヶ月したらそれは古いって、そんな訳ないだろ!たかが1ヶ月で何が分かるんだ。


拘ってんのかな、かれこれ30分位待ってるぞ実際女の人はそれくらい時間がかかると言ってもだな、加減ってもんがあるだろうに完璧主義なのか。


「開けるぞ」


そこには 真っ白な顔に、真っピンクな頬をしたアイツがいた。


「えっえっ、何おてもやん?」


「化粧やって…下さい…」


コイツは、ネットで見た物を全て自分が出来ると思い込んでるタイプのようだ。

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