ロリコンおじさん先輩になる

あの上司本当に最悪だったな、二度と接客したくない。まぁ自分で厄介者を撃退出来たからそれも進歩だな。成長だ


「おいリコお前に話があるから、ちょい裏来い。」


「はぃぃ」


相変わらず怖すぎるんだよ、亜紀ちゃんパパ。解雇じゃないだろうなやめてくれよ。


「コイツが全部やるから、あとは全部聞け。」


「ちょっ!オーナー」


目の前には小柄な青年が立っていた、いったい誰なんだ。


「こんにちは、今連れてこられたんですけど…」


あぁなるほど働く人か、何やらかしたんだろうか。割と若いと思うが。


「えっと、まずは着替えるか」


テルミさんにやってもらった事と同じ要領で、こなして行けばいいはず。着替えて 化粧して 接客見てもらうみたいな流れで行けばいいか。


「あのっ、ドレスしかないんですけど。俺男」


あーあー説明もしてない。コンセプトも知らずに連れてこられたのか、自業自得とは言え可哀想だな。


「ここは、女装キャバクラなんだよ」


「はぁ!?なにそれ、キモ!」


分かるぞ分かる、初めは誰でもそう思う。次第に慣れてくるさ


「イヤ無理無理、俺絶対無理だから!着ないし。」


「まぁまぁここに来たからには、しないといけないんだよ。」


グダグダされたら俺が怒られるので、少し荒いが無理やりドレスを着せる。


「はい!この白ね!はいはい 」


「やめろや!女装野郎!」


カチンときたが、構わず続けた。


「はい、次化粧だよ」


俺が化粧をしようとした瞬間、パーンと手が振り払われた。そして逃げた。


「ったくあんなキモイ事俺がやってやるか、バーカ。」


「オイどこ行くんや、警察か?行きたかったら行け。」


俺がヒールでダッシュしてようやく追いつくと、新人と亜紀ちゃんパパがいた。かなり恐ろしい雰囲気だ


「お前みたいなモンここで働いてる奴らよりよっぽど、腰抜けやぞ!かっこ悪いのォ!」


「警察は嫌だ。勘弁してくだ…さい。」


「逃げたんはお前じゃ、あほんだら!警察に電話じゃ電話」


俺のせいで新人が警察に突き出されそうになってる、ヤバっ助けた方がいいやつだよなこれ。


「オイ、後ろにおるやろ出てこんかい。」


うわっバレてた。


「どっどうも」


「次は無いぞ。」


よかったのか、これで。


「大丈夫?」


「大丈夫だよ!ったく。なんだよあのおっさん」


店に帰って行った。よかった働く意思はあるんだなんだか安心した。


「早くしろよ!おっさん!」


誰だよおっさんって…俺!?


「マジかよ、あんな生意気なガキ担当するのかー」


この日から俺は、ここの店が始まって以来の大問題児を担当する羽目になった。

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