ロリコンおじさんと相談
俺の仕事は家族に伝えるべきなのか、分からない。
「おつかれ〜」
「テルミさんお疲れ様です」
「どしたの、なんか元気ないね。」
俺は家族にこの仕事を伝えるか悩んでると、テルミさんに相談した。
「テルミさんは家族にこの仕事の事伝えました?」
数秒間の沈黙の後テルミさんは、こう言った
「家族いないんだよね」
衝撃で言葉が出なかった。
「そっ、そんなつもりは無かったんです。無神経でしたごめんなさい」
「いいよ、いいよ慣れてるし。普通は両親どっちかいるもんだと思うよね〜」
俺はどうすればいいのか分からず立ち尽くしている、続きの会話が出ない。
「久しぶりだねぇ、自分語りが出来るって。過去の話聞いてくれる?」
「いくらでも聞きます!」
凄い熱量で返事をしてしまったが、テルミさんはいつも通り話を始めた。
「少年院入ってたんだよ。同級生に大きい怪我負わせちゃってさ、短期間だったんだけど、家に帰れるって時はもう両親がいなかったんだ。」
「元々家庭環境微妙だったんだけど、少年院行きで爆発した感じなのかな、誰も来てくれなかったし。一応母親が来てくれたんだけど数日で蒸発したし、今どこにいるのかも分からない。」
「ばあちゃんの家に引き取られたけど、その後すぐ亡くなった。それからは、電話詐欺のグループに入って手当り次第電話かけてたら、オーナーに当たって今ここで働かせて貰ってる訳。」
凄い話だった、この話全部本当なんて信じられない。まるでアニメや漫画の世界の話だ。思わずワクワクしてしまい聞き入ってしまった。
「気にかけてくれる人がいるだけでいいと思うな、誇れる誇れないじゃなくて、とりあえず元気でやってるって言うだけでもいいんじゃない?」
そうだ、それだけでいいんだ。俺はなんて贅沢な悩みだったんだろうか。気にかけてくれるそれだけでありがたいことなのに。なのに俺は、忘れてくれてた方がマシだの、いないことにして欲しいだの、失礼な事をしてた。ごめん母さん
「テルミさん、ありがとうございます。俺元気にやってるって伝えて来ます。おかげで大切なことに気づけました。」
「そりゃよかったね〜って事で帰りに焼肉とか食べたいな〜タンが美味しい所がいいな〜」
「いつもならイヤですけど、今日は奢らせて貰います!」
「やった〜アルコール飲み放題もつけるぞ〜」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます