ロリコンおじさんとNo.1
俺はあの3人の心に惚れた。カッコよすぎるプロ意識が高いだけではなく、客の夢も壊さないようにしているなんて俺には到底できっこない。しかも噂によると、No.1のマミさんは店内の人全員が、本人の顔を見た事がないらしい。ならばあのイケメンはマミさんで確定したのも同然、俺は即座に次の出勤日を確認した。
「次被る日は、4日後か…」
あの日から既に1週間ほど経っている、早いうちに伝えたいのにじれったい、誰か変わってくれる人はいないのか。
「テルミさん、明日の出勤変わってくれませんか」
「イケメン探しに積極的なのはいいけど、休める時に休まないとただでさえ、この仕事は消耗するんだから。」
「俺あのイケメンが誰なのか分かったんです。だからお願いします。」
「しょうがないな、かわってあげよう」
無事にかわってもらうことに成功した俺は、明日の出勤に備えて家に帰ることにした。
夜の繁華街安定の治安の悪さ、この光景も見慣れてきた。悪質な客引きを無視しながら歩いていると、美女が絡まれていた。
「やめてください、ちょっと」
「俺は君が好きなんだって」
うわっ、キャバ嬢が絡まれてるよ可哀想に。俺は対抗出来るような人間じゃないのでその場を去ろうとしたが
「あれもしかして、マミさんじゃね。」
マジかよウチのNo.1が絡まれてるこのまま行ったら、警察沙汰も有り得るぞ。どうしようか、けど前の恩返しのつもりで助けるのが筋だろ、あと今俺は男だからな!
「何してるんですか」
「お前関係ねぇだろ!すっこんでろ!」
「いいえ!俺は彼女の仕事先の人間です。何があったんですか」
「遊んでやるって言ったら、アイツ金要求してきたんだよ!」
あぁよくあるやつ、この場合はきっとキャバクラの話しても通じてなさそう。なので穏便はほぼ不可能
「いいからどけよお前、俺がコイツと遊ぶんだよ」
「ちょっと嫌がってるので、やめてあげてください。よかったら、俺がかわりにあなたの遊び相手になりますけど」
「何言ってんだこいつ、きめぇ。こんなヤツが同僚とかろくなもんじゃねえな、クソアマが。」
どこか行ってしまった。よかったーコミュ障で、いつも薄らキモがられてたのがここで役立つとは。
「ありがとう。おかげで助かった、最悪男って言う手もあったけど、いわなくて済んだ。」
「そうだ!この前はこちらこそありがとうごさいました。覚えてらっしゃるかどうかは、分からないですけど」
「覚えてるよ。俺あの時初めて店で男の姿で出ていったんだ」
嬉しい覚えててくれたんだ。やっぱり本人だったんだ、それも感動した。
「男でも女でもあんな事をするやつは許せないからね、君が無事でよかった。」
あぁかっこいい、いつも見る姿とは全然違う王子様のような雰囲気の人だった。
「質問なんですけど、一体どこで男に戻ってるんですか?」
「家かな、それまではどこでお客様と会うか分からないからね。」
「面倒じゃないですか!さっきみたいな事になったら大変だし」
「もうクセだねこればっかりは。」
プロ意識は極めるとおかしくなるらしい
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